ベンツE220dのエンジンオイル、正しく知って長く乗る

ベンツE220dに乗る多くの方が、「オイルの量はどのくらい？」「いつ交換すべき？」といった疑問を抱えています。これらを正確に理解することで、車の寿命を延ばし、維持費の無駄を防ぐことが可能です。

とくにE220dは、高性能なディーゼルエンジンを搭載しているため、エンジンオイルの管理が走行性能や燃費に直結します。誤った情報のまま放置してしまうと、思わぬトラブルに発展するケースも少なくありません。

「ディーラーに聞くほどでもないけど不安」「ネットの情報はバラバラで信用できない」と感じていませんか？本記事では、初心者にも分かりやすく、かつ正確な情報を厳選してお届けします。

エンジンオイルの量や交換時期は、愛車の健康を守る基本中の基本です。正しい知識で安心のカーライフを送りましょう。

この記事で分かること

• ベンツE220dにおけるエンジンオイル量の適正値
• エンジンオイルの交換タイミングと具体的な目安
• おすすめのエンジンオイルとその選び方
• 交換費用の相場と作業内容の流れ
• トラブルを避けるための管理ポイントと注意点

ベンツE220dとは？魅力と基本スペックを解説

E220dはどんなクルマ？基本情報と人気の理由

ベンツE220dは、メルセデス・ベンツEクラスのディーゼルモデルです。上質な乗り心地と燃費性能を両立しており、特に長距離移動が多いドライバーから支持されています。日本国内では、WLTCモードでの燃費はおおよそ16〜18km/Lとされ、経済的にも魅力的なモデルです。

燃費重視と高級感を両立したモデルを探す方に最適です。

ディーゼルエンジンのメリットと特性

E220dのディーゼルエンジンは、2.0L直列4気筒ターボを搭載しており、トルクの太さが魅力です。最大トルクは約400Nmで、低回転から力強い加速を発揮します。ガソリン車に比べてエンジンブレーキも効きやすく、山道や高速道路で安定した走行が可能です。

• 低燃費でランニングコストを抑えられる
• エンジン耐久性が高く、長期間乗れる
• ディーゼル特有のトルクで重厚な走り

現行モデルと旧型モデルの違いとは

2020年のマイナーチェンジ以降、現行E220dは第5世代（W213後期）にあたります。先代モデルと比較すると、以下のような違いがあります。

項目	旧型（W213前期）	現行（W213後期）
年式	2016〜2020年	2020年〜
外観	クラシック寄り	よりシャープでスポーティ
安全装備	一部支援機能	自動運転支援が強化

燃費性能とエコドライブの視点から見た魅力

E220dは、最新のBlueTECクリーンディーゼル技術を採用しています。これにより、燃費と排出ガス性能を両立。特に、以下のユーザーに好まれています。

• 月間走行距離が1,000km以上のビジネスパーソン
• 高速道路を多用する長距離移動が多い方
• 環境負荷を抑えたいエコ意識の高いドライバー

他のベンツクラスとの比較（Cクラス・Eクラス）

ベンツE220dは、CクラスやSクラスと比較して「中間層に位置する万能モデル」です。以下に代表的な比較ポイントをまとめました。

モデル	価格帯（新車）	サイズ感	特徴
Cクラス	約620万〜	ややコンパクト	都市部での取り回しに優れる
Eクラス（E220d）	約790万〜	中型で安定感あり	長距離・快適性・経済性をバランス
Sクラス	約1,350万〜	大型で重厚感	圧倒的な高級感と静粛性

E220dは、コスト・実用性・快適性を求める方にぴったりの選択です。

ベンツE220dのエンジンオイル量と規定値とは？

エンジンオイル量の適正値（型式別）

ベンツE220dのエンジンオイル適正量は、モデルや型式によって異なります。以下は代表的な型式における規定値です。

型式	エンジンオイル量（目安）
W213（E220d）	約6.5L（フィルター交換時）
S213（ステーションワゴン）	約6.5L

エンジンオイル量は少なすぎても多すぎてもトラブルの原因になりますので、規定値に忠実な補充が必要です。

規定値を守らないとどうなる？リスクを解説

オイル量が少ない場合は潤滑不足によりエンジン内部の摩耗を招きます。逆に多すぎると、オイルが泡立ち圧力異常を起こし、エンジン故障の原因になります。

• 低すぎる：エンジン異音、焼き付きリスク
• 高すぎる：オイルリーク、触媒破損の恐れ

オイル量の誤差はエンジン寿命を大きく左右するため注意が必要です。

オイル量の確認方法とチェックタイミング

ベンツE220dはオイルレベルゲージがないモデルも多く、車内ディスプレイまたは専用メンテナンスモードでの確認が基本です。

• エンジンが十分に暖まった状態でチェック
• 水平な地面に駐車して行う
• オイルチェックは月1回が目安

車両によっては、エンジン停止後数分待つ必要があるため取扱説明書を確認しましょう。

ベンツ公式マニュアルと実際のユーザー差

ベンツの公式マニュアルでは「オイル補充の判断はメンテナンス表示に従う」と記載されていますが、実際のユーザーの間では、センサー表示が出る前に足すという意見も見受けられます。

• 「5,000km走行で約1L減った」などの声あり
• センサー誤差を考慮して早めの点検を推奨

オイル量に関するよくある誤解

「オイルを多めに入れた方がエンジンに良い」という認識は誤りです。過剰なオイルはシール破損や燃焼室への侵入を招きます。

• 「多ければ安心」は逆効果
• 見えない内部に悪影響を与える可能性
• メーカー規定量を守ることが安全運転への第一歩

少なすぎても多すぎても危険なため、正しい管理が不可欠です。

交換時期の目安と距離・期間の基準

メーカー推奨の交換サイクルとは？

ベンツE220dでは、エンジンオイル交換の推奨時期は15,000kmまたは1年ごとが目安とされています。これはメルセデス・ベンツの公式ガイドラインに基づくものです。

ただし、走行環境や使用状況により劣化速度が異なるため、状況に応じて早めの交換が推奨される場合もあります。

年数・距離別の具体的な目安一覧

オイル交換の目安は年数や走行距離によって変わります。以下に分かりやすくまとめました。

走行距離または使用年数	交換推奨タイミング
〜5,000km / 6か月未満	基本的に交換不要
5,000〜10,000km / 半年〜1年	使用状況により交換検討
10,000〜15,000km / 約1年	交換推奨
15,000km以上 / 1年以上	即時交換が必要

早めの交換が必要なケースとは？

以下のような条件下では、エンジンオイルの劣化が早く進むため、通常より早い交換が望まれます。

• 短距離走行が多い（1回の走行距離が5km以下）
• 渋滞路を頻繁に走る
• 急加速・急減速が多い走り方
• 寒冷地での使用が中心

こうした条件が重なると、5,000〜7,000kmでの交換が必要になる場合もあります。

オイルの劣化サインとその見分け方

オイルの劣化は走行距離だけでなく状態でも判断可能です。以下のチェックポイントを参考にしてください。

• 色が黒く濁っている
• 粘度が極端に低く感じられる
• 焼けたような臭いがする
• エンジン音が大きくなる

いずれかに該当した場合は、早急にオイル交換を検討すべきです。

適切な交換時期を逃さないためのコツ

交換時期を正確に把握するには、次のような管理が有効です。

• オイル交換記録をスマホや手帳に残す
• 走行距離を定期的に確認する習慣を持つ
• メンテナンスインジケーターをこまめにチェック

「1年ごと」ではなく「〇kmまたは〇ヶ月」と両方で管理することが重要です。

ベンツE220dに適したおすすめのエンジンオイル

純正指定オイルの特徴とグレード解説

ベンツE220dに推奨されている純正エンジンオイルは、Mercedes-Benz Genuine Engine Oil 229.52規格です。このグレードは、ディーゼル車用に開発された低灰分・低硫黄・低リン仕様の「ロングライフオイル」であり、DPFや排ガスシステムの保護にも貢献します。

高温耐性・酸化安定性・エンジン保護性能に優れており、15,000kmの長期使用にも対応可能です。

市販で買える高評価のオイルブランド5選

以下のオイルは229.52または互換規格を取得しており、E220dユーザーにも人気です。

ブランド	商品名	特徴
LIQUI MOLY	Top Tec 4600 5W-30	低摩耗・静粛性に優れる
Mobil	ESP Formula 5W-30	DPF対応・欧州車実績多数
Shell	Helix Ultra Professional AV-L	高温下でも安定性あり
Castrol	EDGE 5W-30 LL	エンジン保護力に定評
FUCHS	TITAN GT1 PRO	ドイツ車特化型オイル

低粘度 vs 高粘度：どちらが最適か？

ベンツE220dでは一般的に5W-30や0W-30といった「低粘度タイプのオイル」が推奨されています。これにより始動時の摩擦が抑えられ、燃費も向上します。

• 寒冷地：0W-30で始動性を確保
• 温暖地・スポーツ走行：5W-40も選択肢

季節や用途に応じた粘度選びが重要です。

ディーゼル用オイルとガソリン用の違い

ディーゼルエンジンはガソリン車よりも煤（スス）が出やすく、オイルの清浄性能や酸化安定性が求められます。そのため、必ず「ディーゼル対応」表記のある製品を選びましょう。

• 清浄性能：スラッジや煤の抑制
• 酸化安定性：長距離走行でも劣化しにくい
• DPF保護：金属灰分の少ない設計

ユーザー評価で選ぶ、満足度の高い製品

実際のユーザーからの口コミでは以下のような傾向が見られます。

• 「Top Tec 4600は交換後の静粛性が明らかに違う」
• 「Mobil ESPはDPFの詰まりが減った」
• 「Castrol EDGEにしてから燃費が0.5km/L改善した」

実体験に基づくレビューは、商品選びの信頼性を高めます。

交換作業の流れと費用相場【ディーラー・整備工場・DIY】

ディーラーでの交換手順と費用目安

正規ディーラーでは、純正パーツと専用設備を使用してオイル交換を実施します。安心感は高いですが、費用も相応にかかります。

作業内容	費用目安（税込）
オイル交換（部品・工賃含む）	約20,000〜28,000円
オイル＋フィルター交換	約25,000〜35,000円

作業時間は約60分前後です。車両の状態によっては追加整備費が発生する場合もあります。

民間整備工場に依頼する場合のメリット・デメリット

民間整備工場では、比較的安価な費用でオイル交換が可能です。中にはベンツ専門の整備士が在籍する工場もあります。

• 費用：15,000〜22,000円程度と割安
• 融通が利き、オイル銘柄を選べることも
• 作業品質は店舗によって差がある

信頼できる整備工場を選ぶことが大切です。

自分で交換する方法と必要な道具一覧

DIYでのオイル交換はコストを抑えられますが、道具や手順を正しく理解していることが前提です。

必要な道具	備考
ジャッキ・リジットラック	安全な作業のため必須
オイルパン・トルクレンチ	正確な締め付けに使用
ドレンボルトソケット	ベンツ専用サイズを確認
オイルジョウゴ・吸引ポンプ	注入と抜き取りに便利

オイルフィルターも同時交換すべき？

エンジンオイルと同時にオイルフィルターを交換することで、内部のスラッジや金属粉を効率的に除去できます。

• フィルターは1回の交換で約2,000〜3,000円
• 交換しないとオイルの汚れが再循環するリスク

交換のたびにセットで作業するのが理想です。

作業時間の目安と予約時の注意点

作業時間は整備形態によって異なります。

作業場所	所要時間	予約の必要性
ディーラー	約60分	要予約（1〜2週間前推奨）
整備工場	30〜60分	要予約（即日対応可の店舗もあり）
DIY	60〜90分	事前準備が重要

繁忙期は予約が取りにくくなるため、余裕を持った計画を立てましょう。

エンジンオイル管理のトラブル事例と対処法

オイル漏れの兆候と修理の流れ

オイル漏れはガレージにシミが残る・車体下部が湿っているなどの症状で発見されます。放置すると重大なエンジントラブルに繋がるため、早期対処が重要です。

原因部位	対応方法
ドレンボルトの緩み	締め直しまたはガスケット交換
オイルパンのパッキン劣化	ガスケット交換（約1万円〜）
エンジン本体のシール破損	整備工場での部品交換が必要

オイルが減る？焦る前に確認すべき点

ベンツE220dは高性能な分、通常使用でも1,000〜2,000kmごとに0.5L程度減少することがあります。これはエンジン構造上の特性であり、異常ではありません。

• センサー表示に「MIN」が出た場合は補充を検討
• 極端に減るならオイル漏れの可能性あり
• 過去の交換履歴を確認し、判断材料に

不安な場合は、必ず整備工場で点検を受けましょう。

エンジン音がうるさい時のチェックポイント

オイルが劣化すると潤滑不足になり、エンジン内部から「カラカラ」「ゴロゴロ」などの異音が発生することがあります。

• エンジン始動直後に異音が出る
• 加速時に響く金属音がある
• 粘度が合っていないオイルを使用している

異音の原因はオイルだけとは限らないため、早めに専門点検を受けるのが確実です。

センサーエラーの原因とリセット方法

エンジンオイルに関するセンサーは車両内のコンピューターと連携しています。誤って補充後もエラーが消えないことがあります。

• オイル補充後も「LOW LEVEL」表示が続く
• センサーの汚れ・劣化による誤作動が原因の場合も
• 手動リセットは車種により手順が異なる

ディーラーまたはOBD機器による診断が必要なケースもあります。

高速走行後に異臭がする原因とは？

高速走行後に焦げ臭いにおいがする場合、オイル漏れが排気管に付着して燃えている可能性があります。

• エンジン周辺に焦げた臭いが残る
• ボンネット内部にオイル痕がある
• 走行後の点検で臭いの強さを確認

熱を帯びた部位にオイルが触れているため、火災のリスクを伴う重大な兆候と捉えましょう。

ベンツE220dのエンジンオイルに関するよくある質問（FAQ）

エンジンオイルを入れすぎたらどうなる？

エンジンオイルの入れすぎは、オイルの泡立ちや圧力異常を引き起こす原因になります。これにより潤滑性能が低下し、エンジン内部の部品を損傷する恐れがあります。

• オイルレベルがMAXを超えた場合は排出が必要
• 最悪の場合はシール破損や白煙の発生も
• 入れすぎた場合はすぐに整備工場へ

規定量を超えないよう慎重に注入しましょう。

オイル量が少ないとエンジンは壊れる？

はい、潤滑が不足すると金属部品の摩耗が急激に進行し、焼き付きや異音の原因になります。走行中に「OIL MIN」などの警告が出た場合は要注意です。

• 5,000km以上無交換は特に危険
• 異音・加速不良・振動が増加する傾向あり

エンジン損傷を防ぐには、月1回のオイルレベル確認が推奨されます。

交換せずに走り続けるとどうなるの？

オイルを交換せずに長期間走行すると、オイルが酸化・劣化し、エンジン性能が低下します。

未交換期間	想定される影響
1万km以上	燃費悪化、パワーダウン
1.5万km超	オイルが真っ黒になり清浄機能が消失
2万km超	エンジンノッキング、異常音、最悪エンジン焼き付き

定期的な交換がコスト削減にもつながります。

車検時にオイル交換は必要？

車検時はタイミング的にオイル交換の好機です。多くの整備工場ではセットメニューで交換を提案しています。

• 車検から逆算して5,000〜7,000km走っている場合は交換推奨
• オイルフィルターも同時交換で工賃節約可

点検結果に関係なく、事前に自分で走行距離を確認しておきましょう。

高速道路を多く走ると交換時期は変わる？

はい、高速道路走行はオイル温度が上がりやすいため、交換サイクルが短くなる傾向があります。特に夏場や急加速を多用する走りでは注意が必要です。

• 高速中心の場合、10,000kmでの交換が理想
• 長距離移動後はオイルの色やにおいも確認

オイル消費が増える傾向にあるため、補充頻度も見直しましょう。

低燃費オイルはE220dに合うの？

ベンツE220dはDPF付きディーゼルエンジンのため、低燃費かつ低灰分のオイルが適しています。ただし規格適合が前提条件です。

• 推奨粘度：5W-30 または 0W-30
• 規格：MB 229.52、ACEA C3 など
• ガソリン車用低燃費オイルはNG

信頼性のあるブランド製品を選ぶことが大切です。

まとめ：ベンツE220dのエンジンオイル管理で長く快適に乗るために

ベンツE220dは高性能ディーゼルエンジンを搭載しており、エンジンオイルの管理が走行性能と耐久性に直結します。オイルの量や粘度、交換タイミングを正しく理解し、日常点検を行うことが快適なカーライフの第一歩です。

記事全体を通して、以下のような重要ポイントが明らかになりました。

• ベンツE220dの適正なエンジンオイル量は約6.5Lで、型式により若干の差があります。
• オイル交換の目安は15,000kmまたは1年ごとが基本。走行環境により前倒しも必要です。
• 推奨オイルはMB 229.52規格準拠。LIQUI MOLYやMobilなどの市販品も人気です。
• 作業はディーラー・整備工場・DIYの3通り。費用と手間を天秤にかけて選択しましょう。
• オイル漏れや劣化の兆候を早期発見することで、大きな故障を未然に防げます。

日々の点検と適切なメンテナンスで、E220dのポテンシャルを最大限に活かしましょう。