ベンツS450の前期・後期を比較する前に知っておきたいこと

ベンツSクラスの中でも人気を集める「S450」。その中でも前期モデルと後期モデルの違いが気になっている方は多いのではないでしょうか。特に購入や買い替えを検討している場合、どちらがより自分に合っているのか、明確な判断材料が必要です。

この記事では、実際に走行性能や内装に違いがあるのか、維持費や中古市場の価格差まで具体的に解説していきます。

「見た目はあまり変わらないのでは?」「中古で買うなら前期で十分?」という声もありますが、実際には見落としがちな差が多数存在します。その違いを知ることで、より納得のいく選択ができるはずです。

曖昧な印象だけで判断すると、後悔することにもつながります。事前にしっかりと情報を整理しましょう。

この記事で分かること

  • ベンツS450の前期・後期における主要な違い
  • 外観・内装・安全性能の具体的な変化点
  • 中古車市場での価値と価格の傾向
  • それぞれのモデルが向いているユーザー像
  • 購入・乗り換え時の注意点と選び方

ベンツS450とは?基本スペックとシリーズの特徴

ベンツS450の位置づけとクラスの違い

ベンツS450は、Sクラスの中でも高級感と実用性のバランスが取れたミドルグレードに位置付けられています。エントリーモデルでありながら、上位グレードと同様の先進装備を搭載しています。

S500やS580との大きな違いは、エンジン性能と価格帯です。しかし見た目のラグジュアリーさや快適性では大差なく、コストパフォーマンスの高さが魅力です。

エンジン性能とハイブリッド構造の概要

前期・後期ともに3.0L直列6気筒ターボ+マイルドハイブリッド(ISG)を採用しています。

  • 最高出力:367PS
  • 最大トルク:500Nm
  • 0-100km/h加速:約5.1秒

Sクラスの滑らかな走行性はそのままに、燃費性能も向上した構造です。

AMGラインとの違いとは?

AMGラインは外装・内装のスポーティ仕様が加えられたパッケージで、標準S450との差別化要素が明確です。

  • AMG専用バンパー・サイドスカート
  • 19インチ以上の専用ホイール
  • スポーツシート&ステアリング

一方で、乗り心地はやや硬めになり、快適性重視なら標準仕様の方が適しているという声もあります。

ラグジュアリーセダン市場での立ち位置

ライバル車種であるBMW 740iやアウディA8と比較しても、ベンツS450は「王道」のポジションを確保しています。

車種 ベンツS450 BMW 740i アウディA8
出力 367PS 340PS 340PS
0-100km/h 約5.1秒 約5.5秒 約5.6秒
価格帯 約1,400万円〜 約1,300万円〜 約1,250万円〜

国内外での評価と人気の理由

2024年の輸入車販売ランキングで、ベンツSクラスは高価格帯にもかかわらずトップ5にランクインしています。

  • 国内ユーザー:「乗り心地と静粛性が段違い」
  • 欧州ユーザー:「長距離移動でも疲れにくい」

信頼性・安全性・ブランド力の三拍子がそろったモデルとして、法人需要も根強いです。

前期型S450の特徴とは?デザイン・性能・装備をチェック

エクステリアとインテリアのデザイン面

前期型S450は、2018年〜2020年に販売されたモデルで、クラシカルな高級感を重視した外観が特徴です。フロントグリルは大型で、メルセデスらしい重厚さを備えています。

  • ヘッドライトはマルチビームLED仕様
  • リアデザインは水平基調で安定感のあるシルエット
  • 内装は本革・ウッド素材をふんだんに使用

後期型と比べると、アナログ感が残っている点が好みを分けるポイントです。

エンジンと走行性能の印象

前期型のS450は、3.0L直列6気筒ターボ+ISG(マイルドハイブリッド)を搭載し、0-100km/h加速は5.1秒前後というパフォーマンスを発揮します。

ドライバーからは「高速巡航でもエンジン音がほとんど聞こえない」という評価が多く、静粛性と滑らかな変速フィールが高評価を得ています。

装備内容と先進機能の違い

前期型でも高水準の快適装備を備えています。

  • ヘッドアップディスプレイ
  • エアバランスパッケージ(空気清浄・香り機能)
  • 360°カメラ&自動駐車支援

ただしMBUX(音声AIナビ)などは搭載されておらず、インフォテインメント機能は後期型に劣る点に注意が必要です。

安全性能と運転支援技術

前期型でも多くの運転支援機能が標準装備されています。

機能名 内容
アクティブディスタンスアシスト 前方車との車間距離を自動調整
アクティブステアリングアシスト 車線の中央維持を支援
ブラインドスポットアシスト 後側方の死角検知と警告

一方、夜間ドライブで有効なデジタルライトやARナビなどは非搭載です。

実際のユーザー評価や口コミ

前期型S450の中古市場価格は2024年時点で約700〜900万円前後で推移しており、新車時価格の半値程度で購入できる点が魅力です。

  • 「この価格でこの静粛性と高級感は驚き」
  • 「最新装備にこだわらなければ十分満足」
  • 「デザインがクラシックで落ち着く」といった声も

装備の古さよりも基本性能と質感を重視するユーザーにおすすめです。

後期型S450の魅力と進化ポイント

フェイスリフトによるデザイン変更

後期型S450(2021年以降)は、W223型として全面刷新されたモデルです。フロントマスクは滑らかでシャープな印象に変わり、ヘッドライトもより薄型化されています。

  • フラットなグリルと立体感あるLEDライト
  • リアライトは左右を繋ぐ横一文字デザイン
  • ドアハンドルが格納式になり空力性能も向上

前期型とは明らかに印象が異なり、モダンかつ先進的な外観です。

パワートレインの改良点

エンジン形式は前期と同様ながら、後期型ではISGの制御最適化により加速感が向上しました。

また、トランスミッションには最新の9G-TRONICを採用し、変速の滑らかさと低燃費の両立を実現しています。

項目 前期型 後期型
最高出力 367PS 367PS
トルク 500Nm 500Nm(制御最適化)
燃費(WLTC) 約10.4km/L 約11.1km/L

新搭載の先進安全機能とは

後期型では最新のADAS(先進運転支援システム)が多数搭載されました。

  • AR(拡張現実)ナビゲーション機能付きヘッドアップディスプレイ
  • 緊急回避支援や交差点支援の強化
  • ドライバー状態検知システムによる眠気警告

安全面の信頼性がさらに向上し、事故予防性能も強化されています。

コネクティビティ・デジタル技術の強化

インフォテインメントシステムはMBUX第2世代に進化し、センターコンソール全面が大型タッチパネル化されています。

音声操作やジェスチャー認識も強化され、直感的な操作性が魅力です。

  • 12.8インチ有機ELディスプレイ
  • 運転席と助手席それぞれにパーソナライズ機能
  • OTA(無線アップデート)による常時更新

後期型のリセールバリューと市場評価

後期型S450は2025年時点で中古車価格が1,000〜1,300万円前後で安定しており、リセール価値も高い水準を維持しています。

多くのディーラーでは「需要に対し在庫が少ない」とされ、高年式車ほど競争率が高くなる傾向があります。

購入を検討する際は、早めの決断と事前相談が重要です。

前期・後期で異なる7つの注目ポイントを徹底比較

外観(フロントグリル・ライトなど)の変化

最も目に見える違いは、前期と後期でフロントフェイスの印象が大きく異なる点です。

  • 前期:大きなグリルと縦型LEDライト
  • 後期:シャープな薄型ヘッドライトと曲線的グリル
  • ドアハンドルは後期で格納式に

見た目の高級感にこだわる方は、後期型に魅力を感じやすい傾向があります。

内装デザインや素材のアップグレード

後期型ではインテリアの質感と操作性が大きく向上しました。

12.8インチのOLEDディスプレイや静電式スイッチが採用され、先進的な雰囲気を演出しています。

項目 前期型 後期型
メーター アナログ+液晶 全面デジタル液晶
操作パネル 物理ボタン中心 タッチ&音声制御
素材 本革・木目調中心 ナッパレザー・アルミ装飾

エンジン・トランスミッションの違い

どちらも同じ3.0L直6+ISGを搭載していますが、後期型は制御系が見直されレスポンスが向上しています。

  • 加速時のスムーズさが向上
  • トルクの立ち上がりが早い
  • シフトチェンジの滑らかさが自然

ユーザーの体感では「後期型の方が軽快」との声が多く、街乗り中心の人にもおすすめです。

安全装備と運転支援システムの進化

後期型は最新のADAS(先進運転支援)を搭載し、安全性と快適性が大幅に向上しています。

  • ARナビ付きHUD
  • 緊急回避支援+交差点アシスト
  • 夜間視界支援(ナイトビュー)

長距離移動が多い方や高齢ドライバーには、後期型のほうが安心です。

インフォテインメント機能の差

後期型ではMBUX第2世代が搭載され、音声アシスタントやジェスチャー操作に対応しています。

機能 前期型 後期型
ナビ 通常ディスプレイ ARナビ(現実映像にルート表示)
音声操作 簡易コマンド 自然言語対応
OTAアップデート 非対応 対応

操作性・走行感覚の違い

後期型はリアアクスルステアリング(後輪操舵)を採用し、取り回しが格段に改善されています。

  • 最小回転半径が5.4m → 5.0mに縮小
  • 狭い道や駐車場でも安心
  • 高速域では安定性も向上

都市部での運転や駐車が多いユーザーにとっては、大きなメリットとなります。

燃費や維持費の実質的な差異

燃費はWLTCモードで前期約10.4km/L、後期は約11.1km/Lと、約7%改善されています。

さらに、後期型はエネルギー回生効率が高く、ブレーキ摩耗も軽減される傾向です。

年間維持費で見れば、後期型の方が2〜3万円程度安くなるケースもあります。

ベンツS450の前期・後期、どちらを選ぶべきか?

価格差とコストパフォーマンスを比較

前期と後期では中古市場で300万〜400万円の価格差があります。

  • 前期型(2018〜2020年):約700万〜900万円
  • 後期型(2021年以降):約1,000万〜1,300万円

最新機能を重視するなら後期、コスト重視なら前期という選び方が定番です。

装備の違いと価格差のバランスをしっかり見極めることが大切です。

中古車市場における流通状況

2025年時点で流通しているS450の在庫は圧倒的に前期型が多い傾向です。

モデル 流通台数 平均価格
前期型 約300台 約850万円
後期型 約100台 約1,150万円

選択肢の幅を広く持ちたいなら、前期型の方が有利といえます。

維持費・税金・修理コストの比較

維持費に関しては、前期・後期で大きな差はありませんが、後期型の方が若干低燃費でブレーキ摩耗も少ない傾向にあります。

  • 自動車税・重量税はどちらも同クラス
  • 任意保険料は車両価格により変動
  • 部品価格は後期型の方が高くなる傾向

維持費の差は年間2〜5万円程度で収まるケースが多いです。

ライフスタイル別のおすすめタイプ

使用目的によっておすすめの型が変わります。

  • 週末ドライブ中心:前期型で十分
  • 法人・接客用途:後期型の方が印象が良い
  • ITリテラシーが高いユーザー:MBUX搭載の後期型が好適

用途や運転頻度に応じた選択が満足度につながります

購入前に確認すべきチェックポイント

どちらの型を選ぶにしても、以下の点は必ず確認しましょう。

  • 保証内容の有無と期間
  • 整備履歴と走行距離
  • 前オーナー数と使用状況

特に電装系や電子装備の動作確認は見落とされがちな重要ポイントです。

試乗と専門店での車両診断を行うことで、トラブルリスクを最小限に抑えられます。

よくある質問(FAQ)ベンツS450 前期・後期に関する疑問を解決!

ベンツS450の前期と後期は見た目で見分けられますか?

はい、見た目に明確な違いがあります。特に注目すべきポイントはフロントデザインです。

  • 前期:縦型LEDライトとクラシックなグリル
  • 後期:薄型LEDライトと滑らかなフロント形状

街中でも一目で区別できるため、外観を重視する方には大きな判断材料になります。

後期型の方が燃費は良いですか?

はい、燃費性能は後期型の方が優れています

モデル 燃費(WLTCモード)
前期型 約10.4km/L
後期型 約11.1km/L

これはISGの制御改善や空力性能の向上が要因です。

中古で買うならどちらがおすすめですか?

予算と用途によっておすすめが異なります

  • 価格重視:前期型(約700〜900万円)
  • 最新装備重視:後期型(約1,000〜1,300万円)

2025年現在、中古市場では前期型の方が在庫が豊富です。

故障のリスクが少ないのはどちら?

後期型の方が新しいため、年式の若さから故障リスクは低めです。

ただし、前期型でも定期点検記録簿や整備履歴が明確な車両を選べば安心です。

特に電装系やセンサー類の不具合には注意が必要です。

オプション装備は前期と後期でどう変わる?

後期型ではMBUXやARナビなど、次世代装備が標準化または選択可能です。

  • ARナビ付きHUD(後期のみ)
  • MBUX第2世代(後期)
  • エアバランスパッケージ(共通)

装備の選択肢が多く、快適性を求めるなら後期型が有利です。

前期型から後期型への買い替えメリットは?

大きなメリットは以下の通りです。

  • 安全性の進化(新型ADAS搭載)
  • 操作性・取り回しの向上(後輪操舵)
  • 燃費改善と静粛性アップ

価格に見合った価値を感じられる内容であり、長く乗る予定がある方には特におすすめです。

まとめ:ベンツS450前期・後期の違いと選び方のポイント

ベンツS450の前期・後期には、外観・内装・走行性能・装備・安全性といった多方面で明確な違いがあります。

後期型はデザインの近代化やMBUXなどの最新装備が充実し、テクノロジー重視・快適性重視の方に最適です。一方で、前期型は十分な性能を持ちつつも、コストパフォーマンスが高く、中古市場でも流通が豊富という利点があります。

購入前には、自身のライフスタイル・利用頻度・予算に応じた選択が不可欠です。

  • 価格重視:前期型がおすすめ
  • 最新技術と安全性重視:後期型が優位
  • 法人利用や印象重視:後期型の外観が有利
  • 走行性能は両者とも十分で快適
  • 中古車の選択肢は前期型が豊富

本記事を参考に、納得のいくS450選びを実現してください。