【プロが教える】ベンツCLS中古の落とし穴と安全な選び方ガイド
ベンツCLSの中古車購入で失敗しないために
ベンツCLSは、その流麗なクーペスタイルと高級感から多くのファンを魅了してきたモデルです。しかし、中古市場では「思ったより維持費が高かった」「故障が多くて後悔した」という声も少なくありません。安さに惹かれて購入した結果、修理費に数十万円かかるケースも報告されています。
一方で、しっかりとポイントを押さえて選べば、コスパの高い一台にもなり得ます。特に、認定中古車や整備記録が明確な個体を選べば、長く快適に乗れる可能性が高まります。
購入を検討している方の多くは、「どの年式を選べば安心?」「よくある故障は?」といった疑問を抱いています。本記事では、こうした疑問に対し、中古CLSの購入経験者や専門家の視点から明確にお答えします。
中古ベンツCLSには、見逃しやすい落とし穴が数多くあります。
この記事を読むことで、購入時の注意点を事前に理解し、後悔のない選択ができるようになります。
この記事で分かること
- ベンツCLSのモデルごとの特徴と魅力
- 中古市場でよくある失敗パターン
- 購入前に確認すべき整備・保証のポイント
- 年式やグレード選びで気をつけたい点
- 安心して選ぶための具体的なチェックリスト
ベンツCLSとは?基本スペックと魅力をおさらい
CLSのモデル概要と特徴
ベンツCLSは、セダンの実用性とクーペの美しさを融合させた「4ドアクーペ」の先駆けです。初代モデルは2004年に登場し、現在は3代目(C257型)まで進化しています。スタイリッシュなフォルムと高級感あふれる内装が大きな魅力で、ベンツの中でも個性派志向のユーザーから高く評価されています。
ボディサイズは全長5m弱と大型ながらも、流線型のデザインにより実際のサイズ以上にシャープな印象を与えます。内装では本革シートやアンビエントライト、大型ディスプレイを搭載するなど、快適性と先進性を両立しています。
新車時の価格と中古市場の価格差
CLSの新車価格はモデルやグレードによって異なりますが、おおよそ900万円〜1,300万円が相場です。これに対して中古市場では、年式や走行距離によって300万円〜700万円ほどまで価格が下がるケースも多く見られます。
たとえば、2018年式のCLS220dは走行距離5万km前後で約450万円前後が相場です。型落ちでも高級感が損なわれないため、中古でも非常に人気が高い車種といえます。
他のベンツモデルとの違いとは?
CLSは、同じEクラスベースのセダンと比較しても外観の美しさや個性が際立つモデルです。Eクラスが「実用重視の正統派セダン」であるのに対し、CLSは「感性に訴えるデザイン重視のラグジュアリークーペ」として位置づけられています。
また、Sクラスほどの威圧感や価格帯ではなく、“上質で大人なスポーティさ”を求める層に刺さる設計が特徴です。
なぜ今「中古CLS」が注目されているのか
近年、中古ベンツCLSが再評価されている理由の一つは、「価格に対する満足度の高さ」にあります。新車価格の半額以下で購入でき、しかもデザイン・装備の質が高いため、「コスパの高級車」として注目されています。
ただし、安さだけで選ぶと後で高額修理が発生する可能性もあるため注意が必要です。
信頼できる整備記録や保証付きの個体を選ぶことが、後悔しないポイントとなります。
ベンツCLS中古車のよくある落とし穴とは
外装・内装の劣化ポイントに注意
見た目が美しいCLSですが、中古車では細部の劣化が顕著に表れることがあります。特に注意したいのは、ヘッドライトの黄ばみやモール部分の腐食、ドア内張りの浮きなどです。これらは見た目に影響するだけでなく、リセールにも直結します。
内装では、本革シートのひび割れや経年劣化したウッドパネルの剥がれなどが多く報告されています。年式が古い個体ではシートヒーターやナビの不具合も頻出です。
走行性能に関するトラブル事例
ベンツCLSはパワフルなエンジンを搭載していますが、トランスミッションの変速ショックや、加速時のもたつきといった不調も散見されます。特に、7G-TRONIC搭載モデルでは変速遅延の報告が多く、走行距離が6万kmを超えた車両では顕著になる傾向があります。
サスペンションからの異音や、足回りのへたりも見逃せません。これらの症状がある場合、修理には10万円以上かかることも珍しくありません。
故障しやすい電子系統のチェックポイント
CLSは高機能な電子装備が充実している反面、電子系トラブルが非常に起きやすい車種です。とくに多いのが、COMANDシステムの不具合、エアコン操作パネルの故障、メーター内ディスプレイのブラックアウトなどです。
また、電動ミラーやウィンドウが作動しないといった細かい不具合も多発しています。これらの修理は1〜3万円程度で済むこともありますが、頻発すると費用がかさみます。
前オーナーの使用歴が価格に与える影響
価格が安いCLS中古車の中には、「法人所有車」や「短期売却車」が含まれていることがあります。一見お得に見えますが、
整備が疎かだったり、過走行車である可能性が高いです。
反対に、ワンオーナーで整備記録がきちんと残っている車両は、価格は高めでも安心感があります。前オーナーの使い方や管理状態によって、車両の寿命が大きく左右される点は見逃せません。
購入時に絶対確認すべき整備・保証のチェック項目
整備記録の有無とその見方
購入時に最も重視すべきポイントのひとつが整備記録です。記録簿がしっかり残っている個体は、適切にメンテナンスされてきた証拠となります。エンジンオイル交換や車検内容、消耗品の交換履歴などを確認し、規則的な整備がされているかをチェックしましょう。
特にCLSは電子系統やサスペンションに負荷がかかりやすいため、定期点検を受けていない車両は避けるのが無難です。
保証の有無と内容を確認する理由
中古車であっても、保証が付帯しているかどうかで安心感が大きく変わります。認定中古車であれば、1〜2年の保証が付く場合が多く、購入後のトラブルにも対応可能です。保証内容が「エンジン・ミッションのみ」など限定的なケースもあるため、必ず細部まで確認してください。
保証なしで購入した結果、購入直後に高額修理が発生するケースも少なくありません。
車検と点検のタイミングに注意
購入タイミングと次の車検時期が近い車両は、購入直後に追加出費が発生する可能性があります。たとえば、納車から半年以内に車検を迎えると10万円以上かかることもあります。
また、点検整備が販売前に行われていない車両は、納車後すぐに整備が必要になる可能性があります。車検整備渡し(法定点検済み)かどうかも要確認です。
認定中古車と一般中古車の違い
ベンツの認定中古車は、メーカー基準をクリアした車両のみが対象で、専用の整備プログラムや保証が付属します。整備履歴の透明性や走行距離制限なども厳しく管理されており、安心感があります。
一方で、一般中古車は価格が安い反面、整備状況や保証にバラつきがあります。価格差だけで判断せず、信頼できる販売店かどうかも含めて比較することが重要です。
CLSを中古で買うなら避けるべき年式・グレードとは
故障リスクが高い年式の特徴
中古CLSの中でも、初期型(2004〜2006年式)や10年以上経過した車両は注意が必要です。経年劣化による電子系トラブルや、エアコン・ナビ関連の不具合が頻発しています。
特に、電装系ユニットの交換費用は高額で、修理に10万円以上かかるケースもあります。5年以上前のモデルを購入する際は、点検履歴や整備内容を必ず確認しましょう。
人気がないグレードの落とし穴
中古市場では、需要の少ないグレードは価格が安く見えますが、後々の売却時に値がつかない可能性があるため要注意です。具体的には「CLS250」や「CLS350ブルーエフィシェンシー」など、パワー不足や装備面で不満の出やすいグレードが該当します。
一方、CLS220dやCLS400、AMGラインは市場でも流通量が多く、再販時にも有利です。
エアサス搭載車とそうでない車の違い
CLSにはエアサスペンション(AIRMATIC)搭載モデルがあり、乗り心地は格段に上質です。しかし、エアサスは故障リスクが高く、修理費用も1基あたり10万円以上に及ぶことがあります。
中古で購入する際は、足回りから異音がしないか、車高の偏りがないかを試乗で確認することが大切です。エアサス非搭載モデルの方が維持費を抑えられるケースも多いです。
フェイスリフト前後の違いを知る
CLSは世代ごとにフェイスリフト(マイナーチェンジ)が行われており、デザインや装備が大きく異なります。たとえば、C218型の2014年以降モデルでは、LEDマトリクスライトやCOMANDシステムの刷新が行われています。
フェイスリフト前のモデルを選ぶと、装備や快適性が大きく劣ることがあるため注意が必要です。
購入前に年式ごとの変更点を把握し、自分にとって必要な機能が搭載されているかを確認しましょう。
失敗しない中古ベンツCLSの選び方ガイド
試乗時に確認すべきポイント
購入前には必ず試乗を行いましょう。特に加速時のスムーズさやブレーキの反応、足回りの異音は重要なチェックポイントです。ステアリング操作時に違和感がある場合は、サスペンションやタイロッドの劣化が疑われます。
また、エアコンの効き具合やメーター内の警告灯にも注目してください。見逃しがちな細部に故障の兆候が現れるケースが多いです。
専門店と一般中古車販売店、どちらが安心?
信頼性を重視するなら、ベンツ専門店での購入がおすすめです。専門店ではCLSに特化した知識があるため、よくある故障やチェックポイントを把握した上で整備された車両が多いです。
一方で、一般中古車店の方が価格が抑えられる傾向にあります。ただし、整備履歴が曖昧な車両も多いため、保証や第三者機関の検査を受けているかどうかを確認することが大切です。
購入前に使いたい無料診断サービスとは
近年では、車両診断を行う無料サービスが増えてきました。たとえば、第三者機関による出張検査サービスでは、診断機を使ってエラー履歴やバッテリー状態などをチェックできます。
また、一部の中古車販売店では、希望者に対して診断レポートを無料で提供してくれることもあります。高額な買い物だからこそ、事前の確認が安心につながります。
予算別おすすめグレード・モデル
予算に応じて適切なグレードを選ぶことがポイントです。400万円台であれば、走行距離5万km以下の「CLS220d」が狙い目です。低燃費で維持費も抑えやすく、初めてのCLSにも最適です。
500万円以上の予算がある場合は、AMGライン装備のCLS400やCLS450(マイルドハイブリッド)も候補に入ります。装備面・走行性能ともに満足度が高く、リセールバリューも安定しています。
ベンツCLS中古に関するよくある質問【FAQ】
中古のCLSは維持費が高い?
はい、高級車であるCLSは維持費がやや高めです。年間の維持費は平均で約30万〜50万円といわれています。オイル交換やブレーキパッドの交換など、消耗品の価格も国産車より割高です。
また、エアサスペンションや電子系統の修理は1回で10万円以上かかることもあります。購入価格だけでなく、維持費も含めて予算を考えることが重要です。
ディーゼルとガソリン、どちらを選ぶべき?
燃費と経済性を重視するなら、CLS220dなどのディーゼルモデルがおすすめです。実燃費は12〜15km/L前後と優秀で、軽油のため燃料コストも抑えられます。
一方で、加速や静粛性を求めるならガソリンモデル(CLS400など)が向いています。走行距離が少ない方や趣味性を重視する方にはガソリンがおすすめです。
ベンツCLSは通勤に向いている?
快適性やデザイン性を求めるなら、CLSは通勤車としても非常に魅力的です。ただし、車幅が1,880mmあるため、狭い道や駐車場での取り回しには注意が必要です。
加えて、低めの車高やクーペスタイルによる後方視界の狭さもデメリットとして考慮すべきです。日常使いには慣れが必要な車といえます。
修理代が高いって本当?
本当です。ベンツCLSの部品は高額で、故障箇所によっては10万円以上の出費も発生します。特に注意すべきはエアサスや電子制御系です。
修理歴が不明な中古車は、購入後すぐに修理が必要になる可能性が高く、予算オーバーになることもあります。
走行距離はどこまでが安全ライン?
一般的に、走行距離が5万km以内で整備記録がしっかりした車両が安全とされています。CLSはエンジン自体の耐久性は高いですが、足回りや電装系の劣化は走行距離と比例します。
10万km以上の車両も流通していますが、その場合は部品交換歴や故障履歴をしっかり確認することが前提です。
ベンツCLSとEクラス、どちらを選ぶべき?
実用性を重視するならEクラス、デザイン性や高級感を重視するならCLSがおすすめです。CLSは4ドアクーペという独自のポジションで、スタイル重視の方から支持されています。
ただし、CLSはリアシートの頭上スペースがやや狭く、ファミリーユースには不向きな面もあります。家族で乗るならEクラス、趣味性重視ならCLSが向いています。
まとめ:ベンツCLS中古車購入で後悔しないために
ベンツCLSの中古車は、選び方さえ間違えなければコストパフォーマンスに優れた一台です。以下のポイントを押さえることで、購入後の満足度を大きく高めることができます。
- 整備記録や保証の有無を必ず確認
- 故障しやすい年式・グレードは避ける
- 購入時には必ず試乗を行い、不具合の兆候がないか確認
- 価格だけでなく、維持費や修理費も事前に把握しておく
- 信頼できる専門店での購入が理想
中古のCLSは、その高級感とデザイン性の高さから多くの人を魅了しますが、落とし穴も少なくありません。
安さだけを理由に選んでしまうと、結果的に高くつくこともあります。
冷静にチェックポイントを押さえ、妥協せずに選ぶことで、長く満足できる愛車に出会えるはずです。CLSという個性的な一台を、ぜひ納得のいく形で手に入れてください。
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