【プロが解説】ゲレンデベンツ所有者が陥りがちな5つの落とし穴

2025年7月25日金曜日

Gクラス

ゲレンデベンツの魅力と落とし穴：購入前に知っておくべきこと

ゲレンデベンツは、その圧倒的な存在感と高級感から、多くの人々を惹きつけています。特に都市部では「走るステータス」としてのイメージが強く、一度は所有してみたいと憧れる人も少なくありません。

しかし、所有後に「想像と違った」と感じる人が多いのも事実です。見た目のカッコよさやブランド価値に魅了されて購入したものの、維持費や使い勝手で後悔する声が多数見られます。

「買う前にもっと調べておけばよかった」という意見が目立つのは、他の車にはない独自のポイントが多いためです。たとえば、燃費が悪くて予想以上にコストがかかる、立体駐車場に入らない、といった問題が挙げられます。

この記事では、そうした落とし穴を事前に知り、後悔しない選択をするための情報をまとめています。

この記事で分かること

ゲレンデベンツが人気の理由と所有者の特徴
購入前に知っておくべき維持費や日常利用の注意点
多くのオーナーが陥りやすい5つの落とし穴
防犯対策やリセールバリューの実態
よくある疑問とその解決方法（FAQ形式）

ゲレンデベンツの特徴と所有者層の傾向とは

高級SUVとしてのステータスとブランド価値

ゲレンデベンツはメルセデス・ベンツの中でも特に象徴的な存在です。四角く無骨なデザインながら、内装はラグジュアリーそのもの。現行モデル「Gクラス」は新車価格が1,500万円を超えるケースも多く、単なるSUVを超えたステータスシンボルとして認識されています。

見た目のインパクトだけでなく、歴史やブランド性が所有欲を掻き立てる点が最大の魅力です。

実際の購入層に見られる特徴

ゲレンデベンツの購入者には以下のような傾向があります。

年収1,000万円以上の経営者や士業
高級外車の所有歴があるユーザー
車の性能よりブランドイメージを重視する層

「見た目に惚れて買った」という声も多く、実用性よりも趣味性や自己表現の側面が強いのが特徴です。

都市部と地方での利用状況の違い

都市部では、ゲレンデベンツはファッションアイコンとしての意味合いが強く、週末ドライブや来客用として使われることが多いです。一方で、地方では悪路走行や雪道対応など、本来のオフロード性能を活かした利用も見られます。

利用状況の違いにより、メンテナンス頻度や消耗品の劣化具合も異なる点に注意が必要です。

他の高級SUVとの比較（ランドローバー・LXなど）

ゲレンデベンツは、以下のライバル車種と比較されることが多いです。

車種	特徴
ランドローバー・ディフェンダー	高い走破性と英国デザイン、価格帯も近い
レクサス LX600	静粛性と信頼性に優れる、国内メンテ性が高い
トヨタランドクルーザー300	コストパフォーマンスが高く実用性重視

このように、ゲレンデベンツは「見せるSUV」としての立ち位置が明確です。

購入を後押しする心理的要因

「一度は乗ってみたい」「周囲に羨ましがられたい」といった気持ちが購入を後押しします。SNSの投稿やYouTubeレビューなどで、所有者の体験談に影響される人も多いです。

実際に、「インフルエンサーが乗っていたのを見て購入を決めた」という声もあり、感情ベースの判断が多い点が特徴です。

維持費の高さと見落としがちな出費

年間維持費の目安と内訳（税金・保険・燃費）

ゲレンデベンツの年間維持費は平均で約80万円〜120万円が目安です。以下のような項目が主な出費となります。

項目	年間の費用目安
自動車税（排気量3L超）	約88,000円
自動車保険（任意）	約150,000円〜250,000円
燃料費（年間走行1万km）	約300,000円〜400,000円
車検・メンテナンス費用	約200,000円〜300,000円

このように一般的な車よりも維持コストが高額な点は、所有前に把握しておく必要があります。

消耗品の交換頻度と費用（タイヤ・ブレーキ等）

ゲレンデベンツは車重が2.5トン以上あるため、タイヤやブレーキパッドの摩耗が早い傾向にあります。

タイヤ交換：1本あたり約40,000円〜60,000円
ブレーキパッド交換：前後セットで約80,000円〜120,000円
オイル交換：1回あたり約20,000円〜30,000円

とくにブレーキは年1回の交換が必要になることもあり、ランニングコストとして定期的に発生します。

修理費用とディーラー依存のリスク

ゲレンデベンツは電子制御系統が複雑で、故障時にはディーラー修理がほぼ必須です。そのため、修理費用が割高になることが一般的です。

故障例	修理費用の目安
ナビゲーション不具合	約100,000円
エアサスペンション故障	約300,000円
パワーウィンドウモーター交換	約50,000円〜80,000円

正規ディーラー以外で対応できる整備工場は限られており、緊急時に困るケースもあります。

燃費性能とハイオク仕様の実際

ゲレンデベンツの燃費はリッターあたり約6〜8km/L程度と、決して良いとは言えません。しかもハイオク指定のため、ガソリン代も高めに推移します。

年間1万km走行する場合の燃料費は、おおよそ以下のようになります。

平均燃費：7km/L
ガソリン単価：180円/L（ハイオク）
必要燃料：約1,428L
燃料費：約257,000円

日常利用が多い場合は想像以上にガソリン代がかさむため、走行距離とのバランスも重要です。

中古購入時のメンテナンスコスト

中古でゲレンデベンツを購入する人も増えていますが、初期費用が抑えられる一方で整備コストは上昇する傾向があります。

以下はよくある中古車のメンテナンス費用例です。

対象箇所	メンテナンス費用
エンジンマウント交換	約120,000円
冷却水ホース交換	約50,000円
ATオイル交換	約30,000円

中古車は「見えないコスト」が多く潜んでいるため、購入時に整備記録を必ず確認しましょう。

駐車・取り回しの不便さ

全幅・全高・車重による物理的制約

ゲレンデベンツの全幅は1,980mm、全高は1,970mmと、国産車に比べて非常に大きいサイズです。都市部では駐車場の高さ制限（2,000mm以下）にギリギリなケースも多く、入り口で断られることもあります。

サイズ項目	ゲレンデベンツの数値
全長	4,660mm
全幅	1,980mm
全高	1,970mm
車重	約2,500kg

特にマンションの機械式駐車場では対応不可のケースが多いため、購入前の確認が必須です。

都市部の立体駐車場に入らないケース

都市部に多い立体駐車場では、ゲレンデベンツのサイズが障害になることがあります。高さ制限や重量制限、タイヤ幅の制限により、車体が対応外とされる可能性が高いです。

高さ制限：1,550〜1,800mmが一般的
車幅制限：1,850mm以下の設定が多い
重量制限：2,000kgまでの構造が主流

駐車場探しに時間がかかり、「停められないストレスが多い」との声も多く見られます。

狭い道での取り回し・Uターンの難しさ

ゲレンデベンツの最小回転半径は約6.1mと広く、住宅街や細い路地ではUターンが困難です。対向車とのすれ違いに神経を使う場面も多く、ストレスを感じる場面が増えます。

特に以下のような場面では不便さが目立ちます。

住宅街の抜け道
観光地の狭い道
大型ショッピングモールの駐車場内

狭路でのすれ違いや方向転換に不慣れな人は、実用性を見直す必要があります。

家族やパートナーとの不便に関する声

実際のユーザーからは、「妻が怖くて運転できない」「子どもの送り迎えで苦労する」といった日常生活での不便に関する声も多く挙がっています。

下記はユーザーの実際の感想です。

「夫が買ったが、妻は一度も運転していない」
「通学の送迎がしにくくて、もう1台軽自動車を買った」
「子どもがドアを開けると、隣の車にぶつかりそうで怖い」

家族で共有する車としては扱いにくいことも、十分に考慮すべき点です。

長時間運転時の疲労感・視界の癖

ゲレンデベンツは座面が高く視界も広いですが、ボディ形状が角張っているため感覚がつかみにくいとの声もあります。また、硬めの足回りや大径ホイールによって、長時間の運転では疲労を感じることも。

以下のような疲労要因があります。

視界は広いが「前後の距離感がつかみにくい」
乗り心地が硬く、段差の振動がダイレクトに伝わる
風切り音が大きく、静粛性は期待外れとの声も

外見だけでは分からない「乗り心地のリアル」も試乗でしっかり確認することが重要です。

過剰な注目と防犯リスク

目立つ存在であることのメリット・デメリット

ゲレンデベンツは街中でもひときわ目を引くデザインで、注目される車種です。ラグジュアリーSUVとしての存在感は絶大で、所有することで優越感を得るユーザーも少なくありません。

一方で、目立ちすぎることでトラブルの対象になりやすいという側面もあります。SNSでの晒し行為や、妬みを買って傷をつけられるといった事例も報告されています。

車上荒らし・盗難のリスクと対策

ゲレンデベンツは盗難ランキングの常連であり、特に最新モデルはハイテク窃盗団に狙われやすい傾向があります。リレーアタックやCANインベーダーといった手口で盗難されるケースが多発しています。

手口	内容と対策
リレーアタック	電波を中継して鍵を複製。電波遮断ポーチで対応
CANインベーダー	車の内部信号に侵入。外部警報装置の追加が有効

駐車場所や防犯対策を軽視すると、高額な損害に直結するため注意が必要です。

SNSへの投稿と個人情報漏洩のリスク

ゲレンデベンツを購入した喜びからSNSに写真を投稿する人は多いですが、ナンバープレートや場所情報から個人が特定される危険性があります。

自宅前での撮影は避ける
ナンバープレートは必ず隠す
位置情報を含めた投稿は非推奨

「SNSで車種を知られて盗難された」という実例もあるため、情報管理は徹底しましょう。

セキュリティ機能とその限界

現行のゲレンデベンツにはイモビライザーや警報システムが標準装備されていますが、プロの窃盗団には無力なケースもあります。特に電子機器を利用した無音盗難は検知が困難です。

追加の防犯対策として以下のようなものが有効です。

ハンドルロック
GPS追跡装置
エンジンカット装置
防犯カメラ付き駐車場の利用

純正セキュリティだけでは不十分と考え、複数対策を重ねるのが理想です。

高級車所有者としての防犯意識の重要性

ゲレンデベンツを所有する以上、防犯意識を高く持つことが前提となります。特に夜間や人目の少ない場所に長時間停車する場合は注意が必要です。

防犯意識を高めるためには次のような意識が必要です。

常に「狙われている可能性がある」と想定する
防犯対策に費用を惜しまない
万一に備えて保険の見直しも行う

車両保険に加え、盗難保証やGPS連動型の特約も検討しましょう。

ライフスタイルに合わない可能性

通勤や子育てでの実用性の検討

ゲレンデベンツは見た目のインパクトとは裏腹に、日常の通勤や子育てには不向きな面があります。全長・全幅ともに大きく、狭い道や駐車場での取り回しにストレスを感じるという声が多く見られます。

送迎時に学校前での停車が困難
チャイルドシートの乗せ降ろしに苦労
通勤先の立体駐車場に入らない

「日常的な使い勝手」を重視する場合、別の車種を検討する余地があります。

アウトドア向きだが日常使いには過剰？

ゲレンデベンツは本来、軍用車をルーツとした車両であり、悪路走破性や耐久性に優れる設計です。キャンプやスキーなどのアウトドアでは大活躍しますが、都心の買い物や通院など日常用途ではオーバースペックになることもあります。

シーン	向き・不向き
アウトドア・長距離ドライブ	◎ 高速安定性・収納力ともに優秀
街中の買い物や送迎	△ サイズがネックになることも
狭路や住宅地での運転	× 取り回しに苦労するケースが多い

維持費と家計のバランスの問題

ゲレンデベンツは購入価格だけでなく維持費も高額であり、家庭の家計に大きな影響を与える可能性があります。とくに子育て世帯やローン返済中の家庭では、金銭的な負担が無視できません。

燃費が悪く、年間で約25万円〜30万円の燃料代
タイヤやブレーキの交換が頻繁に必要
保険料が年間20万円以上になる場合も

見栄や一時的な憧れだけで購入すると、後々後悔するケースもあります。

他の家族車との住み分け方

ファミリー世帯でゲレンデベンツを所有する場合、用途を明確に分ける工夫が必要です。普段使い用として軽自動車やコンパクトカーを併用し、ゲレンデベンツは休日用やレジャー専用として活用する家庭も増えています。

たとえば以下のような組み合わせが現実的です。

日常：ホンダN-BOXやヤリス
週末：ゲレンデベンツでレジャーへ

このように住み分けを行うことで、維持費と利便性のバランスが取れるようになります。

手放す人の共通点と理由

中古市場では、購入から1〜2年以内に手放されるゲレンデベンツも少なくありません。その背景には維持費の高さや実用性の低さがあります。

主な理由	具体的な内容
燃費・維持費が高すぎた	予想を超える支出で後悔
サイズが大きく運転が困難	妻が運転できない・狭路が怖い
生活スタイルに合わなかった	普段使いには不便だった

購入前に「何に使うのか」「本当に必要か」を再確認することが大切です。

リセールバリューと市場動向のギャップ

購入価格と中古価格の関係

ゲレンデベンツは新車価格が1,500万円を超えることもある高級車ですが、中古市場では年式や走行距離によって価格が大きく変動します。特に初年度登録から3年以内であれば、高値で売却できるケースも少なくありません。

ただし、モデルチェンジや限定グレードの登場によって、中古価格が一時的に下落することもあるため注意が必要です。

モデルチェンジや年式による価値変動

年式が新しいほど価格は高い傾向にありますが、2018年のフルモデルチェンジを境に、旧型と現行型で評価が大きく分かれます。

年式	特徴	市場評価
〜2017年（旧型）	無骨なデザイン・機械式操作	一部マニア層に人気
2018年〜（現行型）	ラグジュアリー内装・最新装備	高値で安定

旧型は状態次第で値崩れするため、売却時期の見極めが重要です。

相場を読むポイントと売却タイミング

ゲレンデベンツを高く売却するには、決算期や需要期を狙うのが効果的です。3月・9月の決算期や、冬前のSUV需要期（10月〜11月）に価格が高騰する傾向があります。

高額査定が出やすい月：3月・10月
走行距離：5万km以下が目安
状態：修復歴なし・禁煙車が高評価

売却を検討する際は、一括査定などで相場を把握しておくと安心です。

ディーラー買取 vs 一括査定サービスの違い

ディーラー買取は手間が少なく、下取りとして使いやすい反面、査定額が相場より低い傾向があります。一方で、一括査定サービスは複数業者の競争により高値がつきやすいというメリットがあります。

比較項目	ディーラー買取	一括査定
査定額	やや低め	競争により高め
手間	少ない	連絡が多く煩雑
安心感	高い（信頼性あり）	業者選びに注意が必要

高値で売るには「比較」と「タイミング」が重要です。

ゲレンデベンツに関するよくある質問（FAQ）

ゲレンデベンツの年間維持費はいくらくらい？

年間の維持費は約80万〜120万円が目安です。以下の費用が主な内訳になります。

費用項目	年間目安
自動車税・重量税	約10万円
保険料（任意含む）	約15〜25万円
燃料費（ハイオク）	約25〜35万円
点検・整備費用	約20〜30万円

車両価格だけでなく、維持費の計画も購入前に必ず立てましょう。

ゲレンデベンツは初心者にも運転しやすい？

運転に慣れていない方にはやや扱いづらい車種です。全幅1,980mm・全高1,970mmとサイズが大きく、狭い道や駐車場での取り回しには注意が必要です。

最小回転半径：約6.1m
車重：約2.5トン
アイポイントが高く視界は良好

運転に不慣れな方や女性ドライバーには不安の声も多いため、試乗で確認してから判断するのが望ましいです。

ゲレンデベンツの盗難対策には何が有効？

近年、リレーアタックやCANインベーダーによる高級車の盗難が多発しています。ゲレンデベンツも例外ではありません。

有効な対策は以下の通りです。

電波遮断ポーチでスマートキーを保管
追加のセキュリティアラームを設置
ハンドルロックやタイヤロックの併用
GPSトラッカーの装着

純正の盗難防止機能だけでは不十分と考え、複数の対策を組み合わせましょう。

購入するなら新車と中古車どちらがおすすめ？

それぞれにメリットがありますが、初期費用を抑えたいなら中古車、安心感を求めるなら新車が基本的な選択です。

条件	新車	中古車
価格	高額（1,500万円前後）	年式次第で1,000万円以下も可
保証	メーカー保証あり	保証切れに注意
整備状態	万全	点検記録の確認が必要

購入前に必ず確認すべきチェックポイントは？

購入時の失敗を避けるには、以下のポイントを事前に確認することが重要です。

駐車場に車体サイズが対応しているか
維持費や燃費が家計に合っているか
家族全員が運転・乗降しやすいか
中古車の場合は整備記録と修復歴の有無
盗難対策が十分にとれる環境か

感情だけで判断せず、実用面とコストの両方を冷静に見極めましょう。

所有して感じたメリットとデメリットは？

ユーザーからは「所有欲が満たされる」というポジティブな声が多い一方で、日常使いでは負担もあるというリアルな意見も聞かれます。

メリット	デメリット
圧倒的な存在感と高級感	サイズが大きく取り回しに苦労
安全性能が高く安心感がある	燃費が悪く、維持費が高額
リセールバリューが高い	盗難リスクが高く防犯対策が必須

見た目やステータス性だけでなく、日常での使い勝手も慎重に考慮しましょう。

まとめ：ゲレンデベンツ所有前に知っておくべきこと

ゲレンデベンツは、圧倒的な存在感とブランド価値で、多くの人を魅了する高級SUVです。所有することで得られる満足感やステータス性は確かに大きな魅力ですが、同時に見過ごせない落とし穴も存在します。

維持費は年間80〜120万円と高額で、家計への影響が大きい
サイズの大きさから、駐車・取り回しに不便がある
防犯対策は必須で、盗難のリスクが常に伴う
ライフスタイルによっては、活用しきれない場合もある
中古市場ではリセールバリューに大きな差が生じやすい

「見た目」だけでなく、「使う場面」や「維持にかかるコスト」までを想定したうえで判断することが、後悔しない購入への第一歩です。

ゲレンデベンツは、あなたのライフスタイルや価値観に合っていれば最高のパートナーになり得る1台です。憧れだけでなく、実際の使用感や経済的な側面を冷静に見つめながら、最適な選択をしてください。