ベンツEクラスのセンターコンソール外し方を知るメリット

ベンツEクラスのセンターコンソールは、見た目以上に複雑な構造を持っています。しかし、正しい手順と工具を知っていれば、初心者でも自力で取り外すことが可能です。この記事では、整備士の視点から安全かつ確実な方法を分かりやすく解説します。

内装カスタムや清掃、電装品の増設を検討している方にとって、センターコンソールの取り外しは避けて通れないステップです。中には、誤った手順で破損してしまう事例もあるため、正確な知識が重要になります。

誤った取り外しはパネル破損や配線トラブルの原因になります。必ず事前に手順を把握してから作業に臨みましょう。

「自分でもできるの?」「どこから外せばいい?」「特殊な工具は必要?」といった疑問を持つ方も多いでしょう。本記事では、そのような悩みに答えながら、モデル別の違いや注意点まで丁寧に解説していきます。

この記事で分かること

  • ベンツEクラスのモデルごとのセンターコンソール構造の違い
  • 必要な工具と事前に準備すべき注意点
  • 初心者でもできる分解手順の具体的な流れ
  • 外し方のポイントとありがちなトラブル対処法
  • コンソール取り外し後の活用アイデアやカスタム例

ベンツEクラスとは?モデルの違いと基本構造を解説

W211・W212・W213の違いとは?

ベンツEクラスはモデルによって構造や装備が大きく異なります。W211(2002年〜2009年)、W212(2009年〜2016年)、W213(2016年〜)は、それぞれセンターコンソールの構造や配線配置に差があります。

たとえば、W213ではタッチパッド付きの新型コマンドシステムが搭載されており、センターコンソールの分解に配慮が必要です。

各世代のセンターコンソールの構造的特徴

センターコンソールの構造はモデル世代によって以下のように異なります。

モデル 主な構造の特徴
W211 シンプルな組立構造で工具が少なく済む
W212 電装品が増加し、配線取り扱いに注意
W213 最新システム搭載により複雑なパネル構造

年式による構造の違いを確認せずに作業すると、破損や誤作業の原因になります。

モデルごとのDIY整備の難易度比較

整備の難易度は以下の通りです。

  • W211:初心者にも比較的やさしい
  • W212:中級者向け、慎重な配線処理が必要
  • W213:高難度、プロの手を借りるのが無難

W213では、作業中に誤ってセンサーや配線を損傷する例も報告されています。

Eクラスの内装設計の傾向と注意点

Eクラスは全体的に「堅牢かつ洗練された内装設計」が特徴です。

センターコンソールはインテリアの一部として美観が重視されており、分解時には傷防止の養生が必須です。また、固定方法にトルクスネジが多用されており、専用工具が必要です。

モデルによっては一部のネジが見えにくい位置にあるため、事前に構造図などを確認することをおすすめします。

センターコンソールを外す前に準備すべき工具と確認事項

必須工具リスト:トルクスドライバー・内装はがしツールなど

センターコンソールの取り外しには、専用工具の準備が不可欠です。特に、トルクス(T20〜T30)や内装リムーバーは必須です。

  • トルクスドライバー:W211〜W213共通で使用
  • 内装リムーバー:パネルの爪折れ防止に役立つ
  • ラチェット付きレンチ:狭所でのネジ取り外し用

100均の代用品では破損リスクが高まるため、整備専用ツールを推奨します。

バッテリーのマイナス端子は外すべき?安全対策の基本

センターコンソール内には電装品の配線が集中しています。誤ってショートさせると、エアバッグ警告灯やオーディオ異常が発生する可能性があります。

作業前には以下を実施しましょう。

  • バッテリーのマイナス端子を外す
  • 金属工具は絶縁テープで保護する
  • 静電気除去を徹底

特にW213では、センサー系統がシビアなため、安全対策を怠ると故障リスクが高まります。

整備前に確認するべき注意点と破損リスク

取り外し前に必ず確認しておくべき点があります。

確認項目 理由・注意点
ネジ位置の事前把握 構造把握が不十分だと内装を割ってしまう
配線のルート確認 無理な力で断線させるケースが多い
工具サイズの適合 合わない工具でネジ頭を潰す危険性

一見単純な構造でも、慎重な対応が求められます

作業スペースと明るさ確保の重要性

センターコンソールの作業は車内での姿勢が制限されるため、作業性の確保が効率と安全性に直結します。

  • 運転席・助手席を最大限スライドさせる
  • 足元スペースを空にする
  • LEDライトで照度を確保する

薄暗い中での作業はネジ紛失や誤着脱の原因になります。

実践編:ベンツEクラスのセンターコンソールの外し方

ステップ1:小物入れ・カバー類の取り外し

作業は小物入れやドリンクホルダー、カバー類の取り外しから始めます。これらのパーツはツメで固定されていることが多く、内装リムーバーを使用して丁寧に浮かせるのがポイントです。

  • 力を入れすぎない
  • ツメの位置を事前に確認する
  • 無理に引っ張らず、左右均等に力をかける

無理に外すとツメが折れるため注意が必要です。

ステップ2:ビス・固定具の場所と外し方

ベンツEクラスでは、外観から見えない位置にトルクスネジが配置されています。以下の表で代表的なビス位置を確認しましょう。

モデル 主なビス位置
W211 アームレスト下・前方カバー裏
W212 センター収納内・サイドトリム内側
W213 タッチパッド裏・USBポート周辺

ビスを外す際はネジ山を潰さないよう、サイズの合った工具を使用してください。

ステップ3:配線コネクタの取り外し手順

コンソール内の電装品には複数のコネクタが接続されています。無理な力をかけず、ロック機構を解除してから外すのが基本です。

  • グローブで静電気対策をする
  • ロック式のコネクタは爪の位置を確認
  • 抜けにくい場合は揺らしながら少しずつ

W213ではUSBや照明の配線が細く、断線しやすい点に注意が必要です。

ステップ4:センターコンソール全体の取り外し

すべてのビスとコネクタを外したら、コンソール全体をゆっくり持ち上げて取り外します。無理に引き抜くと、裏側の配線が引っ張られるため注意が必要です。

ポイントは以下の通りです。

  • 手前方向に引くイメージで動かす
  • 左右の干渉部品を避けながらゆっくり
  • 外れたら安定した場所に置いて保管

ステップ5:注意すべきポイントとありがちなミス

以下は作業でありがちな失敗例とその対処法です。

よくあるミス 対処・予防策
ネジを紛失 外した順にトレイやマグネットトレーに並べて管理
爪を破損 内装リムーバーで均等に力をかける
配線を断線 配線のテンションを常に確認しながら作業

すべての工程で慎重さが求められます。焦らず丁寧に進めましょう。

よくあるトラブルとその対処法

固定ネジが外れないときの対処法

ベンツEクラスのセンターコンソールに使われているトルクスネジは、サビや締めすぎによって固着している場合があります。そんなときは以下の方法が有効です。

  • 浸透潤滑剤を塗布し、5〜10分待ってから再度回す
  • 工具は長めのハンドルでトルクを確保する
  • ネジ山が潰れる前にサイズを見直す

無理に力をかけるとネジ穴が潰れ、さらに作業が困難になるため注意が必要です。

内装パネルの爪が割れたときの応急処置

プラスチック製の内装パネルは、寒い時期や経年劣化により爪が破損しやすいです。もし割れてしまった場合は、以下の方法で一時的に固定できます。

  • 強力な両面テープで補強
  • グルーガンや樹脂用接着剤で再接着
  • パーツ補修用のクリップや爪セットを活用

ただし根本的には交換が必要です。部品番号を控えてディーラーや部品専門店で取り寄せましょう

配線コネクタが固くて抜けないときのテクニック

配線コネクタにはロック構造があるため、力任せでは抜けません。以下のポイントに注意してください。

症状 対応策
ロック解除ができない 先端が細いマイナスドライバーで爪を押す
抜けにくい ゆっくり左右に動かしながら力をかける
断線が心配 根本を持って真っ直ぐ引き抜く

コンソールが浮いてしまう原因と修正法

再組み立て後にセンターコンソールがしっかり収まらない場合は、ネジの締め忘れやパーツのずれが原因の可能性があります。

  • すべてのビスが締められているか確認
  • 配線や部品が干渉していないかチェック
  • 内装パネルの順序を再確認する

浮きがあると見た目も機能性も損なわれます。丁寧に再確認しましょう。

整備後に異音が出る場合のチェック項目

作業後に発生する異音は、取り付けミスやパーツの緩みが原因であることが多いです。確認すべきポイントは以下の通りです。

  • ビスやクリップが完全に固定されているか
  • 配線が走行時に干渉していないか
  • 断熱材やクッション材の有無

特に異音は長期的なストレスにつながるため、再発防止のためにも丁寧な確認が必要です。

センターコンソール取り外し後のカスタム・メンテナンス活用例

ドリンクホルダーや収納トレイの交換

センターコンソールの取り外し後は、収納まわりの機能性アップを図る絶好のタイミングです。社外品のドリンクホルダーやスライド式トレイなど、実用性を重視した交換パーツも豊富です。

  • 深型ドリンクホルダー:安定感が向上
  • 分割式収納:小物整理に便利
  • 静音加工トレイ:走行中のカタつきを防止

使用頻度が高い部分ほど、早めの交換が快適さにつながります

スマホ充電機能の増設やUSBポートの取り付け

配線が露出するこのタイミングで、充電機能を増設するカスタムが人気です。W213ではType-Cポートが標準搭載されていますが、W211・W212ではDIYでの後付けが主流です。

追加できる機能 導入のメリット
急速充電USBポート スマホ・タブレットの同時充電が可能
Qiワイヤレス充電器 ケーブル不要でスマートに使える

本革張替え・内装リフレッシュの施工例

コンソールの外装パネルが劣化している場合は、本革やアルカンターラへの張替えが効果的です。素材の変更により、高級感や質感が一気に向上します。

  • 本革:純正風の高級感を演出
  • カーボン調フィルム:スポーティーな印象に
  • ウッドパネル再塗装:クラシックな雰囲気を再現

プロショップでの施工は3万円〜が相場です。

配線整理やノイズ対策を行うチャンス

センターコンソールを外した状態は、普段見えない配線へのアクセスが可能な貴重な時間です。以下の処理をまとめて行うことで、電装系のトラブルも予防できます。

  • 結束バンドでの配線固定
  • フェライトコアによるノイズ軽減
  • 配線のラベル化で作業性向上

特に後付けナビやETCの配線が雑な場合は、この機会に整理しましょう。

社外パーツとの互換性チェック

社外製センターコンソールやアクセサリーを取り付ける際には、年式やモデルごとの互換性確認が重要です。W212用とW213用では形状やビス位置が異なることが多いため注意が必要です。

パーツ例 対応上の注意点
社外LED付きコンソール 電源取り出し位置と配線図の確認必須
収納拡張ユニット ビス穴位置の事前確認が必要

「Amazonで買ったが取り付けられなかった」という声も多く、事前に商品レビューをチェックすることも大切です。

専門業者に依頼する場合の費用相場と選び方

作業費用の目安と見積もりの取り方

センターコンソールの取り外し作業を業者に依頼する場合、費用の相場はおおよそ5,000円〜15,000円です。車種や作業内容の複雑さにより金額は変動します。

  • 単純な取り外しのみ:5,000円前後
  • 配線処理を伴う作業:10,000円以上
  • 内装カスタム込み:15,000〜25,000円

複数業者に見積もりを依頼し、作業内容と金額の明細を比較することが大切です。

技術力の高い整備業者の見分け方

高い技術を持つ業者を選ぶには、事前の情報収集と現地対応の観察がポイントです。以下の表を参考に判断基準を整理しましょう。

確認ポイント 注目すべき内容
整備士資格の有無 国家資格保有者が在籍しているか
過去実績 ベンツEクラスの対応経験があるか
ユーザー評価 レビューや口コミの信頼性

ディーラーと専門店の対応の違い

ディーラーと独立系専門店では、料金・対応・カスタム対応範囲に違いがあります。

  • ディーラー:信頼性は高いが費用は高め
  • 専門店:柔軟な対応が可能で費用は安価
  • カスタム目的なら専門店が向いている

ただし、正規保証内での対応はディーラーのみ可能なケースもあります。

作業保証やトラブル時の対応も比較ポイント

作業ミスやトラブルに備えて、保証制度の有無を必ず確認しましょう。

  • 施工後〇日以内の不具合対応
  • 破損・誤作業への補償有無
  • 再施工が無料かどうか

保証がない業者は、安価でもリスクが高いため注意が必要です。

まとめ:ベンツEクラスのセンターコンソール外し方ガイド

この記事では、ベンツEクラスのセンターコンソールを安全かつ正確に外す手順について、モデル別の構造や準備工具、作業中の注意点などを詳しく解説しました。

まずは車種に合った工具の準備と構造把握が成功の鍵です。無理な作業は破損や断線につながるため、焦らず順序通りに進めましょう。

作業に自信がない場合は、プロに依頼するという選択肢も大切です。費用相場や業者選びのコツも紹介しましたので、参考にしてみてください。

最後に、取り外し後のスペースを活用したカスタムやリフレッシュも、Eクラスの魅力をさらに引き出すポイントです。

今後のメンテナンスやカスタムの際には、この記事の内容を活用し、安全で満足度の高い整備を行いましょう。

  • センターコンソール構造はモデルごとに異なるため、事前確認が重要
  • トルクスドライバーやリムーバーなどの工具は必ず用意する
  • ビスや配線処理は慎重に。無理な力をかけないこと
  • 取り外し後はカスタムや充電ポート増設の好機
  • 不安な場合は専門業者に依頼し、保証内容を確認する