【プロが解説】ベンツEクラスのエンジンオイル量と交換時の注意点

2025年7月29日火曜日

Eクラス

ベンツEクラスのエンジンオイル量に不安を感じている方へ

エンジンの調子を維持するには、適正なオイル量の管理が欠かせません。特にベンツEクラスは高性能な車種であるため、オイル管理の精度が直接コンディションに影響します。

「どれくらい入れればいいの？」「モデルによって違うの？」といった疑問は多くのオーナーが抱えている共通の悩みです。適量を把握していないと、思わぬトラブルや修理費用に発展することもあります。

本記事では、Eクラス各モデルにおけるエンジンオイル量の目安や、その確認方法まで詳しく解説します。整備士に頼らなくても自分でチェックできるレベルの知識が身につきます。

正しい情報を知ることが、愛車の寿命を延ばす第一歩です。

この記事で分かること

ベンツEクラスにおけるエンジンオイルの役割と重要性
モデル別の適正オイル量（W213・W212など）
エンジンオイル量の確認手順と注意点
過不足によるトラブルとその回避策
初心者でも理解できるオイル管理の基本知識

ベンツEクラスのエンジンオイル量の基礎知識

エンジンオイルの役割とは？

エンジンオイルはエンジン内部の摩擦を減らし、冷却や洗浄、防錆など多くの役割を担っています。とくに高性能なベンツEクラスでは、エンジンオイルの品質と量がパフォーマンスに直結します。

摩耗の防止によるエンジン寿命の延長
燃費性能の維持
エンジン内部のスラッジ除去

Eクラス各モデルごとの適正オイル量（W213・W212など）

ベンツEクラスはモデルにより推奨オイル量が異なります。以下に主要モデルの目安をまとめました。

モデル名	推奨オイル量
W213 E200	6.5L
W213 E300	7.0L
W212 E250	6.0L
Eクラスディーゼル	約7.5L

指定量を守らないと燃費悪化やエンジントラブルの原因になります。

オイル量の単位と計測方法について

エンジンオイル量は「リットル（L）」で管理され、オイルレベルゲージやセンサーで確認します。最近のベンツではアナログゲージが廃止され、メーター表示のみの場合もあります。

旧型モデル：オイルゲージで目視確認
現行モデル：メーター内診断機能で確認
傾斜のある場所では正確に測れません

メーカー推奨の基準とは？

メルセデス・ベンツではMB規格に基づき、オイル粘度や量の指定が厳格に定められています。例えば「MB 229.5」などの認証を持つオイルが指定されます。

MB規格	特徴
MB 229.5	高性能ガソリン車向け・長寿命
MB 229.51	DPF対応ディーゼル車向け

オイル量が多すぎ・少なすぎるとどうなる？

エンジンオイルは多すぎても少なすぎても問題です。適正量を超えると泡立ちや燃焼室への侵入リスクが高まり、少なすぎると潤滑不足になります。

多すぎる：エンジンブローのリスク
少なすぎる：焼き付きや異音の原因
適正範囲：オイルゲージの上下限の中間付近

年式や走行距離によっても減り方が異なるため、定期チェックが重要です。

ベンツEクラスのエンジンオイル交換時期とそのサイン

推奨される交換サイクルと走行距離目安

ベンツEクラスでは、1万〜1.5万kmごとのオイル交換が推奨されています。年に1回の交換でもOKですが、短距離運転が多い場合は早めの交換が望ましいです。

走行距離目安：10,000〜15,000km
期間の目安：1年以内
市街地中心の場合：8,000km前後での交換が安心

放置するとオイル劣化によりエンジン負担が増大し、修理費用が高額になる恐れがあります。

オイルの劣化を見極めるチェックポイント

オイルの状態は見た目でも判断できます。色・粘度・においの変化が劣化のサインです。以下のポイントをチェックしましょう。

色：透明感がなく真っ黒になっている
粘度：ドロッとしている（劣化）
におい：焦げたようなにおいがする

メーターや警告灯に出るサインとは

近年のベンツEクラスには、オイルの劣化や残量を通知する機能が搭載されています。

警告内容	意味と対処
ENGINE OIL LEVEL - CHECK	オイル量不足。すぐに点検・補充が必要
ENGINE OIL VISIT WORKSHOP	オイルの劣化かセンサー異常。整備工場へ

警告が出た場合は放置せず、なるべく早めに確認してください。

短距離走行や渋滞での注意点

短距離中心の運転や渋滞の多い環境では、エンジンオイルが十分に温まらず劣化が早まります。ユーザーの声でも「半年で交換している」というケースが多数あります。

エンジンが冷えたまま→水分が残りやすい
燃焼不完全でスラッジが増える
交換目安：走行5,000〜7,000km

実際のユーザー声に見る交換時期

実際のベンツEクラスオーナーの声では、次のような傾向が見られます。

「年間8,000kmくらいだけど、1年に2回交換している」
「長距離メインなので、1年に1回ペースでOK」
「ディーラーに言われて毎回フィルターも交換している」

走行環境や使用頻度によっても交換時期は異なるため、自分の乗り方に合った判断が重要です。

ベンツEクラスにおすすめのエンジンオイルは？

メーカー純正オイルと社外品の違い

ベンツEクラスにはメルセデス・ベンツ純正オイルが推奨されています。純正品は車両設計に合わせて最適化されており、高い信頼性があります。一方、社外品も条件を満たせば使用可能です。

項目	純正オイル	社外オイル
品質の安定性	高い	商品により差あり
価格	やや高め	選択肢が豊富で安価なものも
保証適用	適用対象	条件により適用外となることも

規格（ACEA・API・MB規格）を確認しよう

オイル選びには規格の確認が不可欠です。ベンツEクラスではMB 229.5またはMB 229.51が代表的な適合規格です。

ACEA A3/B4：高温高負荷に強い欧州車向け
API SN/SM：米国基準のエンジン保護性能
MB 229.5：長寿命・高性能な合成油
MB 229.51：DPF（ディーゼル微粒子フィルター）対応

オイル粘度（0W-40など）の選び方

粘度は走行環境により選択が変わります。日本国内では「0W-40」や「5W-40」が一般的です。

粘度表記	適した条件
0W-40	寒冷地や短距離が多い方におすすめ
5W-40	都市部や夏場も含めたオールシーズン

ディーゼル車とガソリン車の違い

同じEクラスでも燃料種別で適合オイルが異なります。とくにDPF付きディーゼル車ではMB 229.51など低灰分タイプが必須です。

ディーゼル車：DPF保護のため専用オイルを選ぶ
ガソリン車：高温耐性や洗浄性能重視
燃料種に適合しないオイルはトラブルの元

自分で交換する方法と手順【DIY派向け】

必要な道具と準備

DIYでエンジンオイル交換を行うには、基本的な道具と安全対策が必須です。以下の道具を事前に揃えておくことで、スムーズに作業が進みます。

オイルパン（廃油受け）
ラチェットレンチとソケット（17mm前後）
オイルジョッキ・漏斗
パーツクリーナー
軍手、ゴム手袋

火気厳禁の場所で作業を行いましょう。

ジャッキアップと安全対策

車体の下に潜る作業が必要なため、安全なジャッキアップが重要です。必ずウマ（リジッドラック）を併用してください。

水平で硬い地面に車を停車
ジャッキポイントの位置を確認
ジャッキアップ後、ウマをかけて固定
サイドブレーキと輪止めを忘れずに

排油・オイルフィルター交換の手順

古いオイルを完全に抜き取り、オイルフィルターも同時に交換するとより効果的です。

ドレンボルトを外してオイルを排出（約10分放置）
ドレンガスケットを新品に交換
オイルフィルターを専用レンチで取り外す
新しいフィルターにオイルを塗布して装着
ドレンボルトを規定トルクで締め直す

オイル量の確認と補充のやり方

新品オイルをエンジンに補充する際は、一度に入れすぎないことが鉄則です。

手順	内容
1	推奨量の8割程度を一旦注入
2	エンジンを2〜3分間アイドリング
3	レベルゲージまたはメーターで再確認
4	必要に応じて少しずつ追加

失敗しがちな注意点と対処法

DIY初心者が陥りやすいトラブルとその対処法をまとめました。

ドレンボルトの締め忘れ → オイル漏れの原因に
オイル量の入れすぎ → 再度抜き取りが必要
使用済オイルの処分 → カー用品店の無料回収サービスを利用

不安な場合は無理せず整備工場に依頼しましょう。

ディーラー・整備工場での交換費用とサービス比較

正規ディーラーでの交換相場

ベンツ正規ディーラーでのエンジンオイル交換は、高品質な純正部品と専用機材を使用するため、価格は高めです。

サービス内容	相場（円）
エンジンオイル交換（オイル＋工賃）	約25,000〜35,000円
オイルフィルター交換込み	約30,000〜40,000円

純正品・専門技術があるぶん価格は高くなりますが、信頼性重視の方には適しています。

民間整備工場やカー用品店の価格帯

民間整備工場では、純正同等品や社外品を使用することでコストを抑えた対応が可能です。

交換相場：10,000〜20,000円
社外フィルター使用でさらに安価に
持ち込み対応の店も多い

ただし、ベンツに不慣れな工場では作業ミスのリスクもあるため、実績を確認することが大切です。

工賃に含まれるサービス内容とは

価格だけでなく、工賃に含まれるサービスの内容も比較ポイントです。

項目	ディーラー	民間整備工場
車両診断	あり（純正テスター使用）	店舗により異なる
洗車・清掃	無料サービスあり	基本なし
代車対応	事前予約で可能	一部対応

どこで交換すべき？選び方のポイント

交換場所を選ぶ際は、価格・信頼性・利便性の3点から検討しましょう。

新車保証期間内 → 正規ディーラーが安心
コスト重視 → 信頼できる民間工場
知識がある → DIY＋持ち込み対応工場

車両の状態や使用目的に応じて、最適な選択をすることが重要です。

保証やトラブル対応の違い

ディーラーでは純正部品と作業記録が残るため、保証請求時に有利になる場合があります。一方、民間工場では保証対象外となるケースもあるので注意が必要です。

正規ディーラー：メーカー保証対象の安心感
民間工場：コストは安いがトラブル時は自己責任
DIY：失敗時の補償がないため注意が必要

エンジンオイルに関するトラブル事例とその対策

オイル漏れの原因と修理方法

ベンツEクラスで多いトラブルのひとつがオイル漏れです。特にガスケットやパッキンの劣化によるものが多く報告されています。

バルブカバーガスケットの劣化
オイルパン周辺のシール不良
ドレンボルトの締め不足やパッキン劣化

修理費用は軽度で1〜3万円、重度で5万円以上となる場合もあります。

焼き付きやエンジン不調のリスク

オイル不足や劣化を放置すると、エンジン内部が高温となり金属同士が接触して焼き付きが発生します。

異音（ガラガラ音）や振動の増加
加速時のもたつきや出力低下
最悪の場合はエンジン載せ替えが必要

焼き付きが起きた場合の修理費は数十万円以上と高額です。

オイル交換しないと起こる最悪のケース

定期的な交換を怠ると、オイルがスラッジ化し、潤滑機能を失うことがあります。

トラブル	想定される原因	対応費用（概算）
オイル警告灯の点灯	劣化・不足	5,000〜15,000円
スラッジ堆積による詰まり	長期未交換	30,000〜80,000円
エンジン損傷	潤滑不良	200,000円以上

点検を怠らないためのチェックリスト

月1回のセルフチェックがトラブル防止につながります。

オイルレベルの確認（ゲージまたはメーター）
オイルの色やにおいの変化
エンジン下にシミや漏れがないか
前回の交換日・走行距離の把握

簡単なチェックを習慣化することで、大きな故障を未然に防げます。

長距離運転や高温環境での注意点

高速道路の連続走行や夏場の渋滞では、オイルにかかる負担が大きくなります。

粘度が下がりやすく、油膜切れを起こしやすい
エンジンの発熱により酸化・劣化が加速
走行後は早めにエンジンを冷やす意識を

オイルのグレード選びにも注意が必要です。

よくある質問と回答

Eクラスのオイル量を簡単に知る方法はありますか？

最新のベンツEクラス（W213以降）には、メーターパネル内の車両情報メニューからオイル量を電子的に確認できる機能があります。

エンジンをかけず、電源をONにする
ステアリングのボタンでメニューを操作
「Service」内の「Engine Oil Level」を選択

W212以前の車両は、オイルレベルゲージを使用する必要があります。

適正オイル量を超えるとどうなりますか？

オイル量が上限を超えると、エンジン内部で泡立ちが発生し、潤滑性能が低下する恐れがあります。

触媒にオイルが流れ込み、白煙の原因に
エンジン出力低下や燃費悪化のリスク

入れすぎた場合は抜き取り作業が必要です。

Eクラスでもモデルによって量は異なりますか？

はい、モデルやエンジンの種類により、エンジンオイルの適正量は異なります。

モデル	推奨オイル量
W213 E200	約6.5L
W213 E300	約7.0L
W212 E250	約6.0L

オイル交換は半年ごとがベストですか？

走行距離が少ない場合や街乗り中心であれば、半年ごとの交換が推奨されます。

年間走行距離5,000〜7,000km以下：6ヶ月ごと
高速走行メイン：1年または10,000kmごと

エンジン内部の劣化を防ぐには、やや早めの交換が安心です。

警告灯が出たらすぐ交換すべき？

「Engine Oil Level」などの警告が出たら、即時の対応が望ましいです。

レベル低下：補充で対処可能（約1L〜）
劣化表示：早めの交換推奨
赤色表示：走行を控え、点検を受ける

そのまま走行を続けるとエンジンへの深刻なダメージにつながる可能性があります。

オイルフィルターは毎回交換すべき？

エンジンオイル交換時には、オイルフィルターの同時交換が基本とされています。

内部に古い汚れが残るため、オイルの清浄効果が下がる
フィルター自体が詰まり、油圧異常を起こすリスクあり

部品代は2,000〜4,000円程度と安価なので、毎回交換するのが理想的です。

まとめ：ベンツEクラスのエンジンオイル量と交換で後悔しないために

ベンツEクラスは高級車としての性能を保つために、エンジンオイル管理が極めて重要です。

モデルごとに適正オイル量は異なり、W213では約6.5L〜7.0Lが目安です。
オイル交換の目安は走行距離1万kmまたは1年ですが、短距離走行が多い場合は半年ごとの交換が理想です。
純正オイルまたはMB規格（229.5や229.51）を満たす高性能オイルの使用が推奨されます。
DIYでの交換も可能ですが、安全対策や処分方法には注意が必要です。
オイル管理を怠ると、焼き付き・オイル漏れなど重大な故障につながり、修理費が高額になるケースもあります。

愛車を長く快適に乗るためには、エンジンオイルの状態を定期的に確認し、適切に交換することが最も効果的なメンテナンスです。

今一度、自分のEクラスの状態をチェックし、次のオイル交換時期を見直してみてください。