ベンツG65 AMGが“ぴょんぴょん跳ねる”現象とは?

ベンツG65 AMGが“ぴょんぴょん跳ねる”現象とは?

高級SUVとして知られるベンツG65 AMGですが、走行中に車体が「ぴょんぴょん」と跳ねるような挙動を示すという悩みを抱えるオーナーが少なくありません。特に中古市場で購入された個体では、こうした現象に戸惑う声も多く聞かれます。

「なぜ高級車なのに跳ねるのか?」「故障なのか、それとも仕様?」といった疑問を抱く方も多いでしょう。

実はこの症状、足回りやサスペンション制御に起因するケースが大半です。適切な対処をすれば、快適な乗り心地を取り戻すことも十分可能です。

原因を正しく知り、早期に対処することがトラブル回避の鍵です。

この記事で分かること

  • ベンツG65 AMGがぴょんぴょん跳ねる主な5つの原因
  • 症状別で異なる跳ね方の見分け方
  • 実際に発生した事例とその対処法
  • 修理や点検の費用相場と注意点
  • 今後トラブルを防ぐための予防策

ベンツG65 AMGがぴょんぴょん跳ねる5つの主な原因

ベンツG65 AMGがぴょんぴょん跳ねる5つの主な原因

ABCサスペンション(アクティブ・ボディ・コントロール)の不具合

最も多く報告される原因のひとつがABCサスペンションの作動不良です。G65 AMGに搭載されているこのシステムは、路面状況に応じて車体の揺れを制御しますが、センサーや油圧ユニットに不具合があると車体が跳ねる挙動を示します。

センサー異常を放置すると、走行中の制御不能にもつながるため早期点検が重要です。

ショックアブソーバーの経年劣化や故障

走行距離が80,000kmを超えるG65 AMGでは、ショックアブソーバーのへたりが原因で跳ねることがあります。特に段差通過後にバウンドが大きく残る場合は、内部のオイル漏れやピストンの摩耗が疑われます。

エアサスの空気漏れやセンサー異常

ベンツGクラスにはモデルや仕様によりエアサスペンションが組み合わされている場合があります。エアバッグ部分のひび割れやバルブブロックの不良により空気圧が不安定になると、車高のバランスが崩れ、ぴょんぴょんと跳ねるような挙動になります。

タイヤ空気圧のアンバランス

意外に見落とされがちなのがタイヤ空気圧の不均一です。空気圧が適正よりも高すぎたり低すぎたりすると、走行時に跳ねる感じが強くなります。また、4輪の空気圧バランスが崩れていると、左右で異なる反応が出やすくなります。

ブッシュやジョイント部品の摩耗

足回りのゴムブッシュやスタビライザーリンクなどの小さな部品の劣化も原因となります。こうした部品が摩耗すると、入力をうまく吸収できず、跳ねる感覚を助長します。特に10万km超の車両では一括交換が推奨されるケースもあります。

原因 詳細と確認ポイント
ABCサスペンションの不具合 センサー異常や油圧漏れ、診断機でのエラー確認が可能
ショックアブソーバーの劣化 段差後の揺れが残る・オイルにじみが見える
エアサスの空気漏れ 駐車中に片側だけ沈む・警告灯の点灯
タイヤ空気圧のアンバランス 定期点検で前後左右の圧を揃えることが重要
足回りブッシュの摩耗 異音や揺れ増加、ゴムのひび割れを確認

症状別|跳ねる現象からわかるトラブルの兆候と危険性

症状別|跳ねる現象からわかるトラブルの兆候と危険性

停車中や発進時に跳ねる場合の考えられる要因

停車状態や発進時にベンツG65 AMGが跳ねる場合は、ABCサスペンションの初期動作異常が疑われます。実際、「PレンジからDに切り替えた瞬間に車体が上下する」との報告もあり、油圧ユニットの圧力保持不良や制御バルブの動作不良が原因になることが多いです。

無理な発進や連続操作は故障の進行を早める恐れがあります。

高速走行時にバウンドするケースの危険性

高速道路での上下動は非常に危険です。スピードが出ている状態で足回りが踏ん張らずに車体が跳ねると、直進安定性が著しく低下します。これはショックアブソーバーのへたりや油圧回路の不具合が原因で、特に車高調整が狂っている場合は注意が必要です。

段差を超えた後の違和感と足回りの関連性

段差通過後に“浮いた感覚”や異音が出る場合、サスペンション周辺のリンクブッシュやロアアームのガタつきが関係しています。ユーザーの声では「段差を超えた後に車体が上下3回以上揺れる」などの具体的な症状も確認されています。

異音を伴う“跳ね”の症状とは?

跳ねると同時に「ゴトッ」や「ギシギシ」といった異音がある場合、足回りの部品破損または取り付けの緩みが考えられます。音の種類や発生タイミングから、原因を特定する手がかりになります。

放置するとどうなる?重大事故リスクと修理費用の増大

跳ねる症状を放置することで、足回り全体への負担が蓄積されます。

結果として、ブッシュ類やサスペンションコンポーネントの一斉交換が必要になるケースもあります。ユーザーの中には、「放置していたら修理費が総額70万円を超えた」との声もあります。

症状の種類 考えられる原因 放置リスク
発進時の上下動 ABC油圧バルブの動作不良 停止中の姿勢不安定化
高速時のバウンド ショックアブソーバーのへたり 直進時の操作不安定
段差での連続揺れ ブッシュやリンクの摩耗 異音やステアリングへの振動
跳ね+異音 ジョイント部の緩み・破損 部品脱落・走行不能のリスク

ベンツG65 AMGの“ぴょんぴょん現象”を直す具体的な対策方法

ベンツG65 AMGの“ぴょんぴょん現象”を直す具体的な対策方法

ABCサスペンションのリセット・診断の手順

最初に試すべきはABCシステムのエラーチェックと初期化です。専用の診断機を使えばエラーコードの読み取りが可能で、軽度の不具合であればリセットだけで跳ねる現象が収まるケースもあります。

  • ディーラーまたは専門店での専用テスターによる診断
  • 油圧圧力とセンサー数値の確認
  • 初期化後の挙動変化の確認

無理な自己流のリセットはさらなる故障を招く恐れがあります。

ショックアブソーバー交換の目安と費用感

走行距離8万kmを超えて跳ね始めたら、ショックの交換を検討すべきです。特にフロント側のへたりが原因となるケースが多く、オイル漏れや過度な揺れ残りが確認されたら即交換が推奨されます。

  • 純正品1本あたり:8万〜12万円
  • 交換工賃:左右で3〜5万円
  • リビルト品や社外品の選択肢あり

エアサスの圧力チェックとエア漏れ修理

一部グレードではエアサスが搭載されており、空気圧センサーやバルブの不具合が原因で車高バランスが乱れ、跳ねる症状が出る場合があります。専用ゲージでの圧力測定と石鹸水による漏れチェックが有効です。

足回りのブッシュやリンク類の点検・交換

ブッシュやリンクの摩耗は振動吸収能力の低下に直結します。10年落ち・10万km超えのG65 AMGでは、一括での足回りリフレッシュが跳ねる症状の根本解決に効果的です。

  • スタビライザーリンク
  • アッパーアーム・ロアアームブッシュ
  • コントロールアーム

ディーラーと専門店、どちらに依頼すべきか?

ディーラーでは純正部品と最新の診断機器が使用され、精度の高い整備が期待できますが、費用は高額になりがちです。一方、輸入車専門の整備工場では、リビルト品や互換パーツを用いたコスト抑制が可能です。

依頼先 メリット デメリット
正規ディーラー 純正品質・正確な診断 費用が高く納期も長め
輸入車専門整備店 費用を抑えやすい・柔軟な対応 技術力にバラつきがある場合も

実例紹介|G65 AMGの“跳ねる”症状と修理体験談

実例紹介|G65 AMGの“跳ねる”症状と修理体験談

サスペンションセンサー故障でぴょんぴょん跳ねたケース

2016年式のG65 AMGで走行中に小刻みに上下する挙動が頻発。診断の結果、ABCサスペンションの車高センサーが異常値を返しており、片輪だけ油圧調整ができていない状態でした。

センサー交換(部品+工賃)で約9万円でしたが、交換後は跳ねる症状が解消されました。

ショックアブソーバー交換後に改善した事例

10万km走行の車両で連続した段差で大きく跳ねる現象が確認されました。左右フロントのショックアブソーバーが抜けており、純正部品へ交換を実施。

  • ショック2本:約21万円
  • 工賃:約4万円

交換後は乗り心地が大幅に改善され、「新車のような感覚」との声も。

エアサスのエア漏れによる段差跳ねの修理記録

片側だけ車高が落ちるという異常からエアサスのバルブブロックを調査。圧力が保持されず段差通過後にバウンドしていたことが判明し、バルブとパイプを新品に交換。

部品代6万円+工賃2.5万円で、再発なしの安定走行を実現しました。

社外パーツ使用での対策とその結果

ABCシステムを含む足回りのリフレッシュを社外パーツで実施。リビルトショック・強化リンク・強化ブッシュなど、国内パーツショップを活用し、ディーラー価格の約60%で抑えました。

施工後、跳ねは減少し、乗り心地はやや硬めになるものの許容範囲内との評価です。

正規ディーラー vs カスタムショップの比較体験

修理品質と費用のバランスを重視したユーザー事例です。

正規ディーラーでは原因特定と修理で合計42万円。対して輸入車専門のカスタムショップでは同内容を28万円で実施。部品は同一メーカー品であり、施工精度も高かったとの報告です。

事例内容 費用 効果と結果
車高センサー交換 約9万円 症状完全解消
ショック交換 約25万円 段差走行の跳ね改善
エアサス漏れ修理 約8.5万円 再発なしの安定走行
社外パーツ流用 純正比 約60% 硬めだが許容範囲の乗り心地
ディーラー vs 専門店 42万円 vs 28万円 同品質・価格差大

ベンツG65 AMGの足回り異常を予防するためにできること

ベンツG65 AMGの足回り異常を予防するためにできること

定期的なABCシステムのチェックを習慣化

ABC(アクティブ・ボディ・コントロール)は複雑な油圧制御システムです。3〜6か月に一度の診断機による点検をおすすめします。エラーコードの蓄積やセンサー異常は、跳ねる症状の予兆となることがあります。

  • 点検は専用テスターがある整備工場で実施
  • エア抜き・油圧圧力の数値確認
  • センサーの動作確認と校正

サスペンションやブッシュ類の走行距離別点検

5万km・10万km・15万kmが足回りチェックの目安です。各部品には寿命があり、経年劣化で乗り心地や制御性能が低下します。

特にブッシュ・リンク・スタビライザーなどは、揺れの吸収に直結するため見逃せません。

タイヤの空気圧管理とサイドウォールの確認

不均一な空気圧やタイヤの変形も跳ねる原因となります。月1回の空気圧チェックと、走行前後にサイドウォールの膨らみやひび割れを確認しましょう。

  • 指定空気圧は前後で異なる点に注意
  • 寒暖差による圧力変化も管理の対象

高速道路や悪路での走行前後の車両チェック

長距離・高速・山道・悪路を走行する前後には、足回りに異常が出やすくなるため、特に注意が必要です。

以下のポイントを確認しましょう。

  • 車高が左右で違っていないか
  • 異音(ギシギシ・コトコト)がしないか
  • 跳ねやすくなっていないか

異変を感じた時の“早めの対処”がコストを左右する

足回りの異変に気づいたら、すぐに点検を受けることが重要です。

初期段階であればセンサー交換のみで済むところを、放置することで油圧ユニットやショック全体の交換が必要になる場合があります。

状況 初期対応と費用 放置した場合のリスク
車高の片寄り センサー交換:約9万円 ABCユニット交換:約40万円
段差で跳ねる ブッシュ交換:約5万円 ショック交換:約25万円
異音がする リンク点検・増締め:数千円 アーム交換・アライメント:10万円超

修理費用の相場と対処法の選び方ガイド

修理費用の相場と対処法の選び方ガイド

ABCシステム修理・交換の費用目安

ベンツG65 AMGの跳ねる症状で最も高額になりやすいのが、ABCサスペンション関連の修理です。油圧ユニットやアキュムレーター、センサー交換は複数箇所に及ぶこともあります。

  • 油圧ユニット交換:約35〜50万円
  • センサー交換:約7〜10万円/個
  • ホース・配管交換:約5万円前後

複数の不具合が重なると、総額70万円を超えることも珍しくありません。

足回り全体のリフレッシュ費用とその効果

走行距離が10万kmを超えた場合は、足回りの総合的なリフレッシュが検討されます。ショック、ブッシュ、リンクなどを同時に交換することで、再発防止と乗り心地の劇的改善が見込まれます。

  • ショックアブソーバー4本:約30万円
  • ブッシュ・リンク類一式:約10万円
  • 工賃込み総額:約45万円〜

中古・リビルトパーツの活用は有効か?

予算を抑えたい場合はリビルト品や中古パーツの利用も選択肢になります。信頼できる供給元であれば、品質も高くコストダウンが可能です。

  • リビルトショック:約50〜60%の価格
  • 中古センサー:純正新品の1/3以下

ただし保証がないケースもあるため、施工店の選定が重要です。

ディーラー vs 整備工場|費用と信頼性を比較

正規ディーラーでは高額な傾向がありますが、純正品と最新診断機器による確実な作業が受けられます。一方、輸入車専門の整備工場では、柔軟な対応や社外パーツ活用によるコスト削減が魅力です。

依頼先 メリット デメリット
正規ディーラー 純正品質・正確な診断・保証あり 費用が高額・納期が長いことも
輸入車専門工場 費用が抑えられる・対応が柔軟 技術力や信頼性に差がある

修理費を抑えるポイントとNG行動

費用を最小限に抑えるには、初期段階での発見と判断がカギとなります。跳ねる感覚を放置すると、複数部位に波及して費用が増大します。

  • 気になる症状があればすぐに点検依頼
  • 安易な自己修理や放置は危険
  • 複数の整備工場から見積もりを取得

「走れるから大丈夫」と油断せず、早期対処が長く愛車に乗る秘訣です。

よくある質問(FAQ)

よくある質問(FAQ)

G65 AMGのぴょんぴょん現象はよくある不具合ですか?

はい、G65 AMGでは比較的多く報告されているABCサスペンション関連のトラブルです。特に2013〜2017年式で走行距離が7万kmを超えた車両に発生しやすい傾向があります。

初期の小さな揺れを見逃すと、重大な油圧系の故障に繋がることがあります。

ABCサスペンションは自分でリセットできますか?

原則として、専用の診断機が必要です。簡易的なバッテリー外しや再始動ではリセットできません。ABCシステムは高圧油圧を扱うため、整備士でない方の作業は非常に危険です。

  • 専用テスターが必要(STAR診断機など)
  • 油圧ラインには最大200barの圧力がかかる

正規ディーラー以外で修理しても大丈夫ですか?

信頼できる輸入車専門の整備工場であれば問題ありません。部品も同一メーカーのOEMやリビルトを使用している場合があり、価格を抑えつつ高品質な修理が可能です。

ただし、施工実績やレビューを確認して選ぶようにしてください。

一時的に跳ねるだけでも修理すべきですか?

短期間だけの症状でも、内部でセンサーや油圧系に軽微な異常が出ている可能性があります。点検のみで済むことも多いため、早めの診断をおすすめします。

  • 軽度ならセンサー交換:7万〜10万円程度
  • 放置でABCユニット全体交換になると50万円以上

修理しないとどうなる?放置リスクは?

跳ねる症状を放置すると、足回りの制御が効かなくなり、安全性が著しく低下します。

最悪の場合は走行不能になるケースも報告されています。部品劣化が連鎖的に起こるため、修理費が跳ね上がる傾向にあります。

修理後また跳ねることはありますか?

はい、根本原因の特定と再調整が不十分な場合、再発することがあります。とくに中古パーツや一部のみの修理では、他部位の劣化により時間差で症状が再び出るケースも。

再発の原因 具体例 予防策
部分修理による不均衡 片側ショックのみ交換 左右同時交換を推奨
調整不足 油圧設定のバラつき 初期化+再調整が必要
見落とし センサー異常の見逃し 診断機による全項目チェック

まとめ:ベンツG65 AMGの“ぴょんぴょん”問題は原因特定と対策で解決できる

まとめ:ベンツG65 AMGの“ぴょんぴょん”問題は原因特定と対策で解決できる

ベンツG65 AMGの跳ねるような挙動は、放置せずに早期対応することで十分に改善可能です。原因の多くは足回りや油圧制御に集中しており、専門的な診断と正しい対処が鍵となります。

本記事では以下のポイントを解説しました。

  • ABCサスペンション・ショックアブソーバー・エアサスなどの主な原因
  • 跳ね方の症状別に異なるトラブルの兆候と危険性
  • 修理実例とユーザーの体験談から学ぶ再発防止策
  • 費用相場と対処先の選び方(ディーラー・整備工場)
  • よくある質問(FAQ)に基づく実用的なアドバイス

「ぴょんぴょん跳ねる」現象を軽視せず、適切な診断と予防整備を継続することで、安全かつ快適な走行性能を維持できます。

維持費の見通しと正確な原因把握が、愛車との長い付き合いの第一歩です。

チェックポイント 対応すべき内容
段差で跳ねる ショック・ブッシュ・リンクの劣化確認
停止時に上下する ABCの油圧圧力とセンサー異常を診断
修理費を抑えたい リビルト品や専門工場の活用
定期点検の目安 半年〜1年に1回の足回り総合チェック

ベンツG65 AMG本来の乗り味を取り戻すためにも、定期点検と的確な整備判断を意識していきましょう。

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